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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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カーテンの向こう側は薄暗い。



元写真週刊誌の記者・タカツキリクオは、謎の雇い主カキオカの依頼のもと
「Q」と呼ばれるアイドルのパパラッチを行う、モニタリングチームの一員。
最新機器を駆使し、綿密なチームプレイで最新のターゲット、
EDのミカを追い詰めてゆく。
ところが、新たにメンバーに加わったニナイケントという男が
少しずつ不審な動きを見せてきたのと同時に、
チームのメンバーたちが次々と何者かの襲撃を受け始める。
敵の正体もわからないまま、一転して追われる側になった
タカツキが取った行動とは――。

***

まあ全体を通して著者が言いたかったのは、
〝時代とは移り変わるもので起こる出来事も一定ではない〟
ってことなのだろうなあと。
まったく同じ行動をとっても時代が違えば結末も変わってくる。
それが250Pの中に綺麗におさまっていたと思う。

脚本のト書きのような文体は、
著者の狙いなんだろうけど私的にはあまり受け付けなかった。
敢えて地の文を過去形にしないことで
時間の流れ、大げさに言えば刻々と移り変わる時代の動きを
表現したかったんだろうけど、読み物としては面白くない。

作中に頻繁に出てくる〝引き寄せの法則〟も、
うさんくささ満点で(それも著者は狙ってるのかも知れないけど)
アカシックレコードまで持ち出されてうんぬん言われても
少しも「ああそういうこともあるかもしれないなあ。。。」とは
思えなかった。
この法則がもうちょっと読者に信憑性を与えるように書かれていれば
ラストの印象もまた違ったものになったのではないかと思う。
きっともっと著者が言わんとする〝時代は流れる〟ということに
説得力が増したはず。

あとは単純に主人公たちが裏世界で展開する物語が
面白くない。
ここをもっと迫力や緊張感をもって書いてくれていたら
もっと面白く読めたのに、と残念。

あと一歩で傑作足り得た作品。
偉そうに言わせてもらえばそんな印象を受けた物語だった。
でも決して駄作ではないし私はけっこう好きです。
ED(このネーミングもどうかと思うけど)みたいなアイドルグループが本当にいたら
ボカロ好きの私はたぶん間違いなくファンになってるな。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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