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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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僕は、愛されたかった。



“聖なる愚か者”吉田青年を巡る奇妙な物語 これぞ超前衛!
「人はなぜ生きるのか。なぜ愛するのか」
滑稽なほど清い心を持つ吉田青年が引き起こす、
馬鹿馬鹿しくも美しい精神のドラマ。
めくるめく会話劇!

***

うーん、肌に合わなかった。
面白くないというよりは、「肌に合わない」という表現がぴったり。

作中の90%が会話で占められているという構成は斬新で面白いし、
私は無宗教なりに花村萬月氏の〝王国記〟みたいな神をモチーフにした話も
大好きなのだけど、似たモチーフでも本作は駄目だった。

文中にやたら親友って単語が出てくるのも、
独特の世界観を表現する上の手法のひつとしてまあ理解はできるんだけど
「軽々しくそういう単語を口にするなよ」と肌が受け付けなかった。
登場人物たちの話し方も数十年前の翻訳もののミステリみたいで
どうもしっくり馴染まなかった(本作が実際外国の古いミステリなら
何の違和感もなく読めたんだろうと思うけど)。

主人公の吉田青年も、著者は彼の成長譚を書きたかったんだろうけど
自分の考えを己に都合のいいように捻じ曲げ、しかもそのことに無自覚という、
ただの愚かな偽善者にしか見えなくて好きになれなかった。

病的なまでの博愛主義者が本当の愛情とはどういうものかを見つける件では
ちょっとじんときたけど、600Pもかけて読みたい物語ではなかった。

駄作ではないけど特におすすめもしません。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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