扉は開かれた。
この世には不思議なことなど何もないのだよ――古本屋にして陰陽師が
憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。
東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、
その夫は密室から失踪したという。
文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。
***
メフィスト系大好き、と豪語する割にずっと読んでなかった本作。
やっと読みました。
冒頭の、主人公二人の会話だけで
読み手を物語の世界観の中にいとも簡単に溶け込ませる筆力、
そして全体を通した構成力はすごいのひと言。
文章も読みやすく内容も面白いので、分厚くても一気に読める。
ただ、おそらく読んだ人のほとんどがそう思うだろうけど、
主人公が何故消失した遺体に気付かなかったかの真相、あれどうなの?
もういっそほんとに
「遺体は腹の中に隠してました」
ってことにしてくれたほうがよっぽどインパクトあるし物語としても面白かったのに。。。
〝蛙の子〟も、すぐその正体に気付いちゃったのでその点も残念だった。
全体を通せば非常におもしろかったですが。
主人公も腹に一物抱えてるヤツが多くて油断ならない、
これもメフィスト系小説の醍醐味で満喫できた。
おすすめです。
今度映画も観てみよ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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