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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「私たちを信じて」



心霊現象が絡む事件を捜査する「R特捜班」の連絡係を務める大悟は、
初めて体験する心霊現象にとまどいながらも事件を解決していく。青春警察小説。
山本周五郎賞・日本推理作家協会賞受賞第一作。

★収録作品★

 死霊のエレベーター
 目撃者に花束を
 狐憑き
 ヒロイン
 魔方陣
 人魚姫

***

数馬――古い神道の伝承者の家系。
鹿毛――修行を積んだ、密教の寺の息子。
里美――沖縄の神事に関わるノロの一族。
そんな三人の霊能力者と、その手の能力は持たないものの
何事にも動じず常に冷静沈着(というとかっこいいけど単に極度のマイペース人間)に
彼らの指揮をとるR(霊)特捜班のリーダー・番匠。
そしてそんな彼らに振り回されっぱなしの、刑事課の便利屋的存在である狂言回しの大悟。
それぞれがそれぞれに魅力あるキャラクターで(主人公はちょっと弱いかな)、
特に霊能者たちが事件を解決する際に見せる、やる気がないのに妙に格好いい連携プレーは
なかなかの見もの。
ほろっとさせられたりゾクっとさせられたり、普通の警察ミステリとは一味違った
コミカルな連作短編集です。
全部が軽めの話なので、ふと時間が空いたときにでも手にとって読んでみることを
おすすめします。

反対にミステリとしては、
オチがかぶっている話があったり
心霊をネタにしている割りにはオカルトミステリならではの謎やトリック等がほとんどなかったり(
あってもすぐに気づけてしまうレベル)、
あまり読み応えはなかった。なので本格的なミステリを期待している人にはおすすめしません。
あくまでのほほんと楽しんで読むことを推奨したい物語です。
(特捜班が霊と戦うシーンも、あまりにも描写不足で「いや、もうちょっと書いてくれても。。。」と
ちょっと拍子抜けだったので。まああんまりそこにページを割いても物語の趣旨が
変わっちゃうけど、それにしてもあまりに読者に想像を委ねすぎだったので。。。いや、
委ねる気すらなかったような?)

霊能者三人組はすごく好きですけどね。
いつか彼らそれぞれの視点で書かれた短編で構成された続編を読んでみたいもんだー。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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