――そう。星に祈ろう。
第19回小説すばる新人賞受賞第一作
特別な存在でありたいと願う中3のはるき。
ある日、同級生の草太の家に隕石が落ちて来たことに嫉妬して、UFOが呼べると言ってしまい…。
星はめぐり、人々はつどう。生の輝きを描く瑞々しい連作集。
★収録作品★
ルナ
夏空オリオン
流れ星はぐれ星
惑星軌道
***
すばる新人賞出身者の中にはありえないほどクサい物語を書く人が多く
(もともとが若い女性向けの青春小説といった作品が受賞することが多いので
仕方ないのかもしれませんが。ってそういやあ先日紹介した関口尚氏もこの賞出身だなあ。。。)
本作も(ちょっと言いすぎかもしれませんが)読んでいて寒気を感じるシーンがしばしば。
だって台詞回しもストーリー展開もヘタな少女マンガよりよっぽど少女マンガなんだもん。
この物語を「読んでるこっちが恥ずかしいよ」と顔を赤らめることなく最後まで読みきれる人は、
女子中学生か根っからのロマンチストぐらいなんじゃないでしょうか。
残念なことにそんな少女マンガテイストとシリアスで深みある表現が
どうにもうまく溶け合ってないんだよなあこの物語は。
互いが互いの魅力を相殺してしまっているというか。
水森さんの独特かつ絶妙な描写に「うまいなあ。。。」と感動しても、その直後に
「あたし、○○のことが好きッ!」みたいなベタ台詞&展開が続くとさすがに興ざめ。
だいたい私には(個人的な話になりますが)親に虐げられて育った友人が多いので、
「おまえは本当は望まれて生まれてきた子じゃなかったんだ」
と平気で実の息子に告げる両親の非常識っぷりが
(悪意がないぶん)相当に不快で仕方なかった。
なのにその父親は、入院すれば皆が見舞いに来るような好人物って。。。何その矛盾。
著者がまだ新人だから仕方ないのかもしれないけど(&デビューもしていない私が
偉そうに言えた義理じゃないけど)、テーマもキャラもそれなりに立ってはいるけど
どこか輪郭が曖昧な感じで、読後も大した感慨は抱けなかった。
というかむしろ伝えたいテーマの描き方があまりに直球過ぎて、
「あーもうわかったよわかりすぎるほどにわかったからいいよもう勘弁して」と
赤面してしまうというか。
。。。どっちなんだ? よくわからない。
。。。。。。どっちもか。
テーマはくっきりと、けれど読み手がそれを著者から押し付けられるのではなく
自分で自然と気づけるように、次回作は書いてくれるとこの作家さんのことは
もっと好きになれる気がします。
デビュー作〝でかい月だな〟はすごくよかったし。
でも本作もラストはとてもよかったですが。
バラバラの星の集まりの銀河系だって遠くから見たらこんななんだよなそういえば、と、
少し世界と繋がれた気がした。
まるで一つの生き物だ。
ちなみに本作が気に入った人は角田光代さんの〝空中庭園〟も
好きになる気がするのでおすすめ。
蛇足:この著者ひょっとして〝ピューと吹く! ジャガー〟読んでる?
だって〝大人はしょせん老けた子供〟って表現。。。
第19回小説すばる新人賞受賞第一作
特別な存在でありたいと願う中3のはるき。
ある日、同級生の草太の家に隕石が落ちて来たことに嫉妬して、UFOが呼べると言ってしまい…。
星はめぐり、人々はつどう。生の輝きを描く瑞々しい連作集。
★収録作品★
ルナ
夏空オリオン
流れ星はぐれ星
惑星軌道
***
すばる新人賞出身者の中にはありえないほどクサい物語を書く人が多く
(もともとが若い女性向けの青春小説といった作品が受賞することが多いので
仕方ないのかもしれませんが。ってそういやあ先日紹介した関口尚氏もこの賞出身だなあ。。。)
本作も(ちょっと言いすぎかもしれませんが)読んでいて寒気を感じるシーンがしばしば。
だって台詞回しもストーリー展開もヘタな少女マンガよりよっぽど少女マンガなんだもん。
この物語を「読んでるこっちが恥ずかしいよ」と顔を赤らめることなく最後まで読みきれる人は、
女子中学生か根っからのロマンチストぐらいなんじゃないでしょうか。
残念なことにそんな少女マンガテイストとシリアスで深みある表現が
どうにもうまく溶け合ってないんだよなあこの物語は。
互いが互いの魅力を相殺してしまっているというか。
水森さんの独特かつ絶妙な描写に「うまいなあ。。。」と感動しても、その直後に
「あたし、○○のことが好きッ!」みたいなベタ台詞&展開が続くとさすがに興ざめ。
だいたい私には(個人的な話になりますが)親に虐げられて育った友人が多いので、
「おまえは本当は望まれて生まれてきた子じゃなかったんだ」
と平気で実の息子に告げる両親の非常識っぷりが
(悪意がないぶん)相当に不快で仕方なかった。
なのにその父親は、入院すれば皆が見舞いに来るような好人物って。。。何その矛盾。
著者がまだ新人だから仕方ないのかもしれないけど(&デビューもしていない私が
偉そうに言えた義理じゃないけど)、テーマもキャラもそれなりに立ってはいるけど
どこか輪郭が曖昧な感じで、読後も大した感慨は抱けなかった。
というかむしろ伝えたいテーマの描き方があまりに直球過ぎて、
「あーもうわかったよわかりすぎるほどにわかったからいいよもう勘弁して」と
赤面してしまうというか。
。。。どっちなんだ? よくわからない。
。。。。。。どっちもか。
テーマはくっきりと、けれど読み手がそれを著者から押し付けられるのではなく
自分で自然と気づけるように、次回作は書いてくれるとこの作家さんのことは
もっと好きになれる気がします。
デビュー作〝でかい月だな〟はすごくよかったし。
でも本作もラストはとてもよかったですが。
バラバラの星の集まりの銀河系だって遠くから見たらこんななんだよなそういえば、と、
少し世界と繋がれた気がした。
まるで一つの生き物だ。
ちなみに本作が気に入った人は角田光代さんの〝空中庭園〟も
好きになる気がするのでおすすめ。
蛇足:この著者ひょっとして〝ピューと吹く! ジャガー〟読んでる?
だって〝大人はしょせん老けた子供〟って表現。。。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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