忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[230]  [228]  [223]  [189]  [187]  [186]  [181]  [180]  [174]  [172]  [171
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

好きだ。



地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。
そこで出会った映写技師の杉本ルカは、外へ一歩も出ることなく映写室で生活しているらしい。
バイト採用の条件は、不可解な三つの約束を守ることだった――。
切なく胸を打つ、感動の青春ミステリー。

***

ぬるいなあー、というのが率直な感想。ミステリとしても物語としても。

レイジという男は妙にキャラが立っていて彼が登場するシーンだけは面白く読めましたが、
それ以外の登場人物たちは皆没個性的で、何だかヘタな少女マンガでも読んでいるよう。
彼らの抱えるトラウマもどれもがあまりにありがちすぎて「ふうん、まあよくあることだよね」
としか思えない。
吉本ばななさんのある作品に、本作のヒロイン・ルカと同じ傷を持つ少女が出てくる話が
あるのですが、同じは同じでもその傷との向き合い方や抱え方、そして
それを乗り越えていこうとする意志とその過程で生じる葛藤、そういった描写の一つ一つに
あまりに実力差がありすぎて(もちろんばななさんのほうが上)、
これを読むぐらいならばななにしとけ、といった感じです。

ルカが引きこもっていた理由も「は? 300P以上引っ張っといてそれだけ?」
としか思えなかったし、
主人公が終盤でルカに想いを告げる際の台詞も
「幼少時にかなり重い体験してきた割には言う言葉がお粗末だな」
と違和感を感じてしまった。
ルカが高校時代ある人物によってひどいコンプレックスを植えつけられ、未だにそれから
抜け出せていないという割には、主人公の弟(イケメン)が
自分を気に入ってくれていたということをあっさりと口にするのも?だし。
悪いけど自分に自信ある女じゃなきゃあんな台詞吐かないよ。

テーマ&導入部だけがやたらと面白く、でも結局は尻すぼみ+ありがちENDという
山田○介的においを感じさせる作品だった。
関口氏は文章が圧倒的にうまいのであれとまったく同列に扱うのは失礼にもほどがあるけど。

あらすじがあまりに興味をそそられる内容だったのでちょっと期待しすぎたなー。
ミステリとして読むのはやめたほうがいいです。ラブストーリー好きの人にはおすすめ。
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]