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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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あなたが救われる道は一つしかないーー。



別れた妻が殺された。
もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた
予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

***

久々のレビュー。
数多の本を手に取ってはつまらなくて途中で投げ出す、ということを
繰り返してきましたが、東野作品はさすがというべきか
安定して最後まで読めました。

大作ではないけれどきれいにまとまったミステリ。
死刑制度の是非について書かれた作品ですが、
その制度そのものをうんぬんといった重い描写はなく、
登場人物たちの心情を通して「あなたはどう思う?」と訴えかけてきます。

ただ。。。
「罪を犯した自分なんてもんは盗んだものを食うのがふさわしい」
って考えはどうしても腑に落ちなかった。
罪を償いたいならせめて金払えよ、と。
罪人である自分が「食べる」なんて行為をして生き長らえるのは
許せない、とガリッガリに痩せてるとかならまだ納得がいったのですが。

あと後半、主人公の影が薄くなるのがちょっと。
物語の進展のために動かされているコマの印象が拭えなかったな。

でもそれなりに面白く、相変わらず文章も読みやすいので
あっという間に読み終えました。

結局罪人を罰するにはその人物の一番大切なものを奪う、生きがいを奪う、
というのが私的には最大の方法だと思うのですが、
そんなのはその人物を死刑にするより難しいよな。

ちなみに本作が面白かったひとは、中村文則氏の
「何もかも憂鬱な夜に」がおすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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