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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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帰りなさい、あなたの世界へ――。



造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか…その二月末日に発生した誘拐事件で、
香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、
それより数十分前、八王子に向かう車の中で事件を察知した瞬間でもなければ、
二時間後犯人からの最初の連絡を家の電話で受けとった時でもなく、
幼稚園の玄関前で担任の高橋がこう言いだした瞬間だった。
高橋は開き直ったような落ち着いた声で、
「だって、私、お母さんに…あなたにちゃんと圭太クン渡したじゃないですか」。
それは、この誘拐事件のほんの序幕にすぎなかった――。

***

。。。。。。
どうしよう、何もコメントできない。
ものすごい駄作なら欠点をあげつらうこともできるしその逆もまた然りなのですが、
なんていうかこう、音痴なんだけど笑えるほどじゃないからネタにしづらい微妙な音痴、的
中途半端な〝ダメだこりゃミステリ〟なので感想を述べるのが難しい。。。
ただひとつ言えるのは、駄作なら壁に本をぶん投げるところですが、
本作は読んでいる最中、投げるほどにはむかつかないものの
何度も閉じてしまいそうになった。ページと目蓋を。

要するにつまらない。
ストーリー展開もどこかで読んだようなものなら文章表現もひどく陳腐。
これがあの〝戻り川心中〟を書いた連城三紀彦? と途中で表紙の著者名を
確認してしまったほど(実話)。
登場人物たちの挙動や心理描写もむちゃくちゃだし(たとえば
自分の店に来てくれたら自分を本当に信頼してくれた証拠、って偽水絵は言ってたけど
店にいるのは単なる水絵のそっくりさんだと思っている川田がそこに来たからって
信頼した証拠にはならない
だろ。
愛人のそっくりさんを水商売の店で指名する男なんてあんまりいないと思うんだけど。
★で、結局、序盤で紙で作った蜂つきの造花が出てきたのと
香奈子が実の子じゃない圭太にあそこまで執着した理由
はいったい何だったんだ?

まだまだまだまだありますがこれ以上突っ込んでもきりがないので
このへんにしておきますが。

ラスト間際で「片方の肩を持てばもう片方を裏切ることになる」と悩む少女の葛藤を
納得のいく形で見事に収束させてみせる手腕には唯一おっと思わせられましたが。

あまりおすすめできないです。
本作が初連城三紀彦という人は、必ず〝戻り川心中〟読んでください。お願いですから。



蛇足:
私なら最終章のあれを〝和洋混乱〟じゃなく〝和洋混沌〟って表現するけどな。
そのほうが字面も語呂も何となくいい気が。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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