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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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私の声が聞こえますか?



大型スーパー“デイリータウン”のマネージャー袖山剛史は、
クレーマー・岬圭祐、万引き常習犯・マンビーという二人の“悪魔”に悩まされていた。
ある日岬が、クマ型ペットロボット“テディ・バディ”のケンタを診てほしいと現れた。
治療法を教えて切り抜けたのも束の間、マンビーにデスクトップパソコンを盗まれる。
そして岬が再びやって来た、「電子レンジでケンタを温めたら死んだ」と――。
岬の嫌がらせはエスカレートする一方。
袖山の心の支えは恋人・美乃の存在だったが…。

***

オチはかなり予測不可能で物語にどう決着がつくのかわからず、
意表をつきまくりのラストにはいたく驚かされましたが。。。
冷静になって振り返ってみると、そのオチに至るまでの経緯が支離滅裂すぎ。
逆に本作のオチを読めた人がいたらお眼にかかりたいぐらい、
全体にこじつけ感や矛盾が多かった。

たとえば、
なぜ主人公は岬のぬいぐるみはあくまでぬいぐるみとしてしか見ていないのに
自分はあそこまで偏執的になっているのか、という人格面での非統一性。
そしてどうしてわざわざぬいぐるみのために部屋を借りてやらねばならないのか。
普通に同棲すればいいのでは?
主人公の好きな女性を岬がストーキングしてたっていうのも偶然にしても
ちょっとご都合主義すぎるのでは。
極めつけ、警察が杜撰すぎ。
主人公と美乃がただの友人じゃないなんて美乃の両親にちょっと聞き込みすれば
簡単にわかることだし、人を殺した現場にいた人間が単なる目撃者か殺人犯かなんて
わからないはずがない。岬が主人公の犯罪をチクらないのもおかしいし(しかも
自分に嫌疑がかかってるのに)。

って伏字だらけで全然感想にならないよこれじゃ。

主人公が接客するいろいろなタイプのクレーマーたちはリアルで面白かったですが。
(著者は以前主人公と同じ業種で働いていたらしいのでそのせいでしょうが)
そういえば蛇足ですが、私がバイト時代一番難儀したクレーマーは
数分待たせたことを根に持って「私をバカにしてるんですか。私はヒマじゃないんです」
と延々二時間ねちねち語っていったおっさん。
忙しいなら早く帰ろうよ。

ちなみにクレーマーネタでは荻原浩氏〝神様からひと言〟がダントツに面白いです。
冒頭の会議のシーンは少々だるいですが、あとはひたすら笑いの連続。おすすめです。
。。。少なくとも本作よりは。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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