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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「信じたかったから、信じた。それだけのことですよ」



連続する幼女誘事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長。
若手キャリアの課長を巡って警察内部に不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く。
こうした状況にあって、事態は新しい局面を迎えるが……。
人は耐えがたい悲しみに慟哭する――
新興宗教や現代の家族愛を題材に内奥の痛切な叫びを描破した、鮮烈デビュー作。

***

初読がコレ↓だったため(そしてまだ私の本読みキャリアが浅かったため)、



「なんじゃこりゃあーこんな腹立たしいもん書く作家の本二度と読むかあ~!!!」と
ぶちキレて以来一切手をつけていなかった貫井作品。
。。。。。。
とんだ偏見でしたごめんなさい貫井さん。
わずか二十五歳にしてこれだけのものを書けるあなたを心底尊敬します。
ミステリ作家を目指すものとして驚嘆に値する作品でした(そして自分と比べて
けっこうへこみました)。

本作最大の〝真相〟にはかなり早い段階から気づいてしまいましたが、
それでも物語自体が面白く少しも退屈することなく一気に読破。
単なるエンタメでは片付けられないラストにはひどく考えさせられ深みすら感じました。

そしてタイトルにもなっている〝慟哭〟、
終盤である人物がその〝慟哭〟をしてみせる様は、ヘタすると
ミステリ部分よりも意外かつ衝撃的で思わずこっちが慟哭しそうになってしまった。
ものすごいインパクトだった。

ミステリを読みなれてる人はやはりトリックはすぐに見破れてしまうでしょうが、
それを補ってあまりある面白さ(ラスト間際の、主人公の愛人の〝カマかけ〟は
やや蛇足だった気がしないでもないけど)。おすすめです。

余談ですが本作が気に入った人はこれ↓もおすすめ。信仰宗教のヤバさが
これでもかと描写されていてかなり面白いです。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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