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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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それとも――やっぱり苦しかった?



堕ちていく女 驚愕の結末!

作家・辰巳まるみが書いた小説『機械の森』。
そのゲーム化をはかるスタッフ8人が湖畔の別荘に集まった。その夜に悲劇が起こる。
社長令嬢の香織が別荘の尖塔から墜落死したのだ。しかも彼女は妊娠していた。
自殺なのか、それとも?
誰もが驚くジグソー・ミステリ、著者自身による解説を加えた「完全版」で登場!

***

ここで紹介しているのは文庫版ですが、私が読んだのは新書版。
あまりの無秩序&荒唐無稽さに物語の方向性を最後まで掴み切れないまま、欠伸を噛み殺しつつ
気づけば読み終わっていた、というのが正直なところなので、
著者の解説があればもうちょっと筋道だった読み方ができたのかもな、と残念に思い中です。

著者からのひと言に、「ジグソーパズルを組み立てるような感じで読んでいただければ」
というようなことが書いてありましたが、眼の前にあるのが絵柄がバラバラのピースでは
まったくやる気が起こりません。
仮にどうにか組み立てたところで、完成する絵があまりに前衛的というか抽象的なものというのでは、
何の驚きも感動も湧かない。
実際もう既に内容忘れかけてます。
辛うじて印象に残っているのは、
この著者の書く小説の登場人物は相変わらず利己的で自分本位で小賢しい連中だらけで
好きになれるキャラが一人もいないなあということ。
風景(特に建築物)の描写がくどくて読むのが億劫だったこと。
「どひー」といった台詞とかエヴァとか、全体的にオタク臭が漂っていたこと(その割には肝心の
〝機械の森〟というゲームの内容や、その制作チームのメンバーたちが開発に携わる描写が
「読者の想像に委ねるにもほどがあるだろ」と突っ込みたくなるほど皆無だったこと)。
そして何より、ハラ痛いときに普通わざわざアイスクリーム食べないだろ、ということ。
要するに不満ばかり憶えてる。

駄作、と切り捨てるのも何か違うような気がする。
よくも悪くもない、好きにも嫌いにもなれない、
要するに〝存在感のない〟物語なのかな、これは。
そんな小説に出会ったのは初めてなので、これはこれで貴重な作品なのかもしれない。



Bocklin.jpg





 




〝機械の森〟、こんな感じかな?
作中にギーガーのネタが出てこなかったらたぶん途中で読むの放棄してただろうな。
放棄してたほうが結果的にはよかったのかもしれないけど。。。
H.R.Giger。すごい好きなアーティストです(もはや小説の話から脱線してますが)。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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