アウトドアが趣味の公務員・沖らは、フリーライター・成瀬のブログで知り合い、
仮面の男・黒沼が所有する孤島で毎年オフ会を行っていた。
沖は、今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていたが、
成瀬が若い恋人を勝手に連れてくるなど波乱の予感。
孤島に着いた翌朝、参加者の二人が失踪、続いて殺人事件が!
さらには意図不明の密室が連続し…。
果たして犯人は?
そしてこの作品のタイトルとは?
***
巷では「エロミス」なんて呼ばれているみたいですが、
エロの要素はそこまでなく、私的に言えば「シモ(ネタ)ミス」です。
最初に古典ゆかしき「読者への挑戦状」が著者から提示されますが、
謎解きに必要な要素は解決編で初めて出てくるものもあるので、
普通に謎解きをするのは無理。
「このトリックを見破れる者はいない」とも書かれてありますが、
そりゃ見破れねーよといったオチなので謎を看破出来なくても
悔しがることはありません。
文章は読みやすいですが、南の島へ着き「南国モード」になった
主人公・沖の語りにセンスがなく、同じメフィスト作家で似た系統なら
舞城王太郎、西尾維新のほうがよほどセンスに溢れている。
「俺はザッツトゥーバッドな気持ちで~」なんて文章に、
センスを感じますか?
メフィスト賞受賞作じゃなかったら壁にぶん投げてるレベル。
ちなみに本作、「援交探偵」シリーズとして続編が出ていますが、
その響きがもうなんか嫌だ。
シモミスというジャンルを確立したのはすごいと思ったけど、
よくよく考えたら「六枚のとんかつ」の蘇部さんが既にいたな。
暇潰しにはなりました。
フーダニットよりホワイダニットを重視する私にはあまり合わなかったけど。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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