世界的テノールである藤枝和行が念願のジークフリート役を射止めた矢先、
婚約者・有希子は老婆の予言どおりに列車事故で命を落とす。
ジークフリート同様に“恐れを知らず”生きてきた和之だが、
愛する人を喪った悲しみのあまり、遺骨を抱いて歌うことを決意した。
そして和行の前に現れた美女──。
“舞台”は謎とともに華麗に展開していく。
***
本作と、同著者の「五声のリチェルカーレ」が深水作品の中では
双璧を成す人気作のようですが。。。
後者は好きなのですが、本作は読後壁にぶん投げたくなった。
まず主人公の性格がもうどうしても好きになれない。
自信満々、自己中、婚約者の死後すぐに別の女に惚れて運命の相手だとか抜かすし、
しかもその女への口説き文句が寒い。
「僕は国境なき医師団じゃなくて免許なき医師団なんだ。ネギを首に巻けるよ」
私が口説かれている相手なら速攻逃げ出す。
その運命の相手だとかいう女の描写もモテない男の妄想を具現化したみたいで
ひたすらキモいし。
そしてうんちくが多すぎて、しかもそのうんちくの書き方がつまらなすぎて、
「もういいから早く話を進めてくれよ」となる。
だいたいがうんちくの多い作家さんだけどここに極まれりって感じ。
挙句の果てにラストで唐突に始まる知人青年の謎解き。
いやあんた誰だよ。今まで探偵臭なんて欠片もなかったのに(というか
謎自体なかったのに)何いきなり謎解き始めてんだよ。
あ、これミステリだったんだ、とそのときに初めて気づいたわ。
屈指の感動シーンと言われている主人公が骨持って歌うシーンも、
ひたすら婚約者が哀れでならなかった。
こんなもんで拍手喝采が起きるか。馬鹿か。
ちょっとキレ気味なのは、私が女だからかも知れません。
「男ってやつは女がどんなに尽くしても綺麗な女がいたらすぐそっちに走る」
という、つまらないだけならまだしも不快な読後感しか残らなかったので。
おすすめしません。
ちなみに本好きの知人曰く、本作のうんちくのほとんどは
間違っているそうです。読み流しましょう。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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