懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した
〈完全犯罪完全指南〉という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人の殺人者。
「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」。
心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ切れる、
と考えた犯人たちの練りに練った偽装工作を
警視庁捜査一課の海埜刑事はどう切り崩すのか?
一体彼らはどんなミスをしたのか。
***
二時間ドラマをちょっと深くした内容。
「へえ、この殺し方じゃこういうところからボロが出るのか」
と大いに参考になった(小説を書く上で)。
最後のどんでん返しは想定の範囲内だったけど、そのあと更に続く
ふたたびのどんでん返しにはちょっとびっくり。爽快だった。
四人の犯人には動機にもキャラにもそれぞれ特徴があって、
ラストで刑事・海埜にやり込められる様は爽快だったりほんのり悲しかったり、
著者がコメントで書いているように「犯人側のドラマも書けるからいい」
と言っていたとおり、倒叙ものとしてよく出来ている。
まあもちろん、「おいおい犯人それじゃ失敗するだろ」と最初から
わかってしまう話も中にはあるわけだけど。
それにしても深水氏、読みづらい漢字をところどころに使うのと
蘊蓄がややうるさいクセはどうやっても直らないんだろうか。
まあ別にいいけど。
割とおすすめです。
古畑任三郎とか好きなひとは特に。
海埜は古畑ほどキャラ立ってないからそこだけが不満だったかな。
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