忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[635]  [651]  [636]  [640]  [645]  [644]  [626]  [631]  [629]  [630]  [634
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ラ・メメント・モリ。
高らかに歌いたい。




22歳の女性作家・リンが新たに執筆を依頼されたのは自伝的創作=オートフィクションだった――。
なにものによっても埋めることのできない、深い孤独を抱えた彼女が語り始めた
「オートフィクション」は抹殺したはずの過去を描き出す。
切り取られたいくつかの季節と記憶。通り過ぎる男たち。
虚実が錯綜し破綻した世界の中で、彼女が見いだしたものとは。
著者渾身の傑作長編。

***

正直今までの金原作品の中で一番つまらなかった。
「ひょっとしてこれ作者の自伝なんじゃ?」――そう思わせるものが〝オートフィクション〟、
なのに本編はどうやっても作り物の〝小説〟としか思えない(唯一主人公が16歳時の物語が
金原さんの実際の経歴を参照してはいたけど、言っちゃえばまあそれだけだし)。
「これほんとにフィクション?」と思わせる手法は、舞城王太郎氏のほうが遥かに上。
(彼の作品は読んでいて何度「これ作者の実体験じゃ?」と思わされたことか。
氏曰く、やはりよく言われるらしい)

つまらないけどどう考えてもノンフィクションにしか思えない小説、
明らかにフィクションだけど読んでいて面白い小説、
このどちらかなら読んでもいいけど、本作ははっきり言って
〝フィクション丸出し&つまらない〟
という一番どうしようもないものなので、彼女の作品の中では正直一番読む価値なし。

何よりもキツかったのは、金原さんにしては作中に使われる言葉選びがセンスないこと。
〝太陽、それは魔物……。〟
この一文が出てきたときは、思わず我が目を疑った。
もちろんギャグで書いてるんだよね?と思いたくても前後の文脈からいって明らかにマジだし、
一体どこの素人(しかも昭和初期生まれ)が書いたポエムだ、と。
音楽のリズムの表現も拙いし。。。

やっぱり彼女の書いた作品は〝ハイドラ〟が(個人的に)一番だな。

あと今は若いからいいけど、この作家将来中年になってもこの作風だと読んでるこちらもキツい。
そろそろ性的なテーマから離れたものを書いてもいいのでは。ていうか読みたい。

金原さん、新境地を拓いてください。
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]