忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[579]  [568]  [574]  [562]  [556]  [565]  [567]  [563]  [555]  [566]  [557
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今でも、見えない友達はいる?



ひややかな恐怖が胸に迫る――青春ミステリの気鋭が初めて封印を破った現代の怪談!
おまじないや占い、だれもが知っていた「花子さん」。
夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。
やくそくをやぶったひとは、だぁれ?
その向こう側は、決して覗いてはいけない――。

★収録作品★

 踊り場の花子 
 ブランコをこぐ足 
 おとうさん、したいがあるよ 
 ふちなしのかがみ 
 八月の天変地異

***

各話ごとのレビュー。

◆踊り場の花子◆

プロ作家さんに向かって失礼かもしれないけど、
もしこれをミステリ系新人賞に送ったら文句なしに受賞するだろうなあ。
登場人物が少ないにも関わらず十分満足できるキャラの立ち具合、
巧妙ですっきりとした伏線、
現代病理を巧妙に物語に取り入れる手腕、
花子さんはトイレじゃなくて階段にいるという独創性、
ページを繰る手が無意識にどんどん早くなっていくような息もつかせぬストーリー展開、
そしてラスト一行で感じる戦慄。
文句なしに面白かった。

◆ブランコをこぐ足◆

冒頭のハイジ豆知識には驚かされた&笑った。
数々の人間の証言から真相が明らかになる、という構成の物語だけど、
早い段階で事件の真相は読めてしまう。
ラストはああいう曖昧な終わりじゃなくてもとズバーン! と事実を突きつける感じのほうが
よかったんじゃないかと個人的には思う。
でもそれじゃホラーじゃなくてミステリか。

◆おとうさん、したいがあるよ◆

一気読み。
先が気になるからというよりは、ぼやけたモザイクの向こう側にあるものを早く知りたくて。
でも最後までモザイクの正体がくっきりと見えること叶わず。
自分の見解としては、
①実はつつじが認知症で自分を孫と思い込んでいる祖母だった。
ふふう、と鳴く鳥呪い
のどちらかだと思うんだけど定かじゃない。

◆ふちなしのかがみ◆

さすが表題作、文句なしに面白い。
まあちょっと〝彼女たち〟には「何で友達になったの?」と訊きたいけど。
。。。将来こんな風にならないように、私も気をつけなきゃな。。。

◆八月の天変地異◆

ありふれた話にも関わらず、最後は泣きそうになってしまった。
シンプルな物語ほど作者の筆力が問われるんだな。やっぱり辻村さんはすごいです。
これを八月に読めてよかった。よりリアルに読むことが出来た。
そのぶん悲しくもなるのですが。。。



非常におすすめです。
今自分が中高生だったら読書感想文に間違いなくこの本を選ぶな。

オマケ:
cicada.jpg









何ともタイムリーなことに今朝母親が見つけて撮った
脱皮直後のセミ。
確かにきれい&かわいい。
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]