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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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変わり行くものと変わらないものの狭間で。



ありえないことなど、ありえない。不思議なことも不思議じゃなくなる、この日常世界へようこそ。
七階を撤去する。
廃墟を新築する。
図書館に野性がある。
蔵に意識がある。
ちょっと不思議な建物をめぐる奇妙な事件たち。
現実と非現実が同居する4編収録の最新作。

★収録作品★

 七階闘争
 廃墟建築士
 図書館
 蔵守

***

。。。いや、現実と非現実同居してないし(あらすじ↑に対して)。
〝七階闘争〟なんか、何でそこまで七階に執着するのかもうちょっと心理描写してくれないと
カルト教団にのめり込んでる人以上に理解不能だし、
〝廃墟建築士〟も、タイトルがこんなにファンタジックなのに文章がお固くて説明調で
この題に惹かれて手にとったぐらいなのに読んでいくうちに「廃墟建築士? って何だそれ、
バカじゃねーの」とちんぴらモードになる有様だし、
〝図書館〟はこの本の中ではかなり読めたほうだけど、後半で
〝一角竜鳥(イッカクリュウチョウ)〟なんてゲームに出てくるようなもんが出てきて台無しだし、
〝蔵守〟だけかな、最後まで唯一文句なく読めて「いい話だったな」と思えたのは。

三崎氏はあらすじやタイトルに惹かれるものがあっていつも手にとってしまうのですが
総じて外す確率が高い。
〝となり町戦争〟なんて今もって何でベストセラーになったのかさっぱりわからないし、
〝失われた町〟で得たものなんて過剰なまでのストレスだけだし。

それでも手にとる自分て一体、と思わないでもないですが、
こういう感性の持ち主ならいつかとんでもなくいいものを書いてくれるかも、という期待が
捨てられないからなのかもしれない。
それが本作じゃないことだけは確かだけど。

三崎氏にはもうちょっと、読者を置いてきぼりにしないで共感できるよう物語を書いてほしいと思う。
そのへん舞城王太郎氏・乙一氏・平山夢明氏あたりはうまい。
通常とは異なる世界観、価値観を読み手にごく自然に浸透させてしまう手腕が。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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