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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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まあ、そのうち正しい明かりになるだろう。



人って、生きにくいものだ。
みんなみんな、本当の気持ちを言っているのかな?

青春小説の金字塔、
島田雅彦『僕は模造人間』('86年)
山田詠美『ぼくは勉強ができない』('93年)
偉大なる二作に(勝手に)つづく、'00年代の『ぼくは~』シリーズとも言うべき最新作!
「本が好き!」連載中に第一回大江健三郎賞を受賞したことで、ストーリーまでが(過激に)変化。
だから(僕だけでなく)登場人物までがドキドキしている(つまり落ち着きがない)、
かつてみたことのない(面白)不可思議学園小説の誕生!
* ( )内は作者談

***

読み終えたあとパーっとページをめくってみたら、ほとんど全部の文章が
記憶に残ってることにびっくり。
それだけ一文一文が印象的で、心に刻まれてたんだろうな。

よく友人に「こうこうこういうことをこんな風に考えることってない?」と訊いて
「何それ普通考えないよ。あんた突き詰めすぎ。どういう頭してんの」と笑い飛ばされることを
本作のヒロインは当たり前に考えていて、そのことにとてもほっとさせられた(だから純文学は好き)。

そして普通に面白すぎ。読んでいる間何度も爆笑。
(特に「おいどんは~」と「ニョローンニョロニョロ」には本気で吹いた)

図書部ならではの想像力(妄想力?)と、でもそれに飲まれてしまうんじゃなく
そんな妄想体質の自分を客観的な視点で見ている、主人公・望美のバランス感覚がすごく好き。
きっと金子先生の小説のあのタイトルは、望美の行動よりは思考回路を指したものなんだろうな。

すごく楽しめた小説でしたが、ただ残念なのは、
〝彼〟のエピソードが尻切れトンボに終わってしまったこと。別に作中に出さなくてもいいから
もうちょっと納得のいくようにストーリー内で処理してほしかった。
あと、頼子のラストの行動の意味。もともとキャラの掴みにくい子だけど、
最後のあれは何がきっかけになって突然あの行動に出たのか(出ることができたのか)、
あとちょっとだけでいいから読者に想像できるように書いてほしかった。

でもおすすめです。
久々いい本を読んだなー。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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