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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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麻美の彼氏の富田がスマホを落としたことが、すべての始まりだった。
拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。
セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して
麻美を陥れる狂気へと変わっていく。
いっぽう、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。

***

毒舌レビューになります。

近年稀にみるクソ小説だった。
図書館で借りて読んだけど、買わなくて本当によかった。
文章のあまりの下手さに山田悠介を久々に思い出した。
誰目線なのかわからない視点の混乱。プロと名乗るべきじゃない文法ミスの連発。
何のために書いたのかわからない無駄な伏線。かみ合わない登場人物の会話。

そもそも、どうして主人公が彼氏のスマホを探しているのか。
落とした彼氏本人が探せばいいじゃん。
それと、スマホを受け取りに行ったときに待ち合わせ先の店のひとから
「赤い服を着たあなたにスマホを渡せと言われました」って言われてるのに、
「何で私が赤い服を着てるって知ってるの?」と思いもしないところが変。
いや、そんなのほんの序の口で、とにかく「何でそこでそういう行動に出る?」
「どうしてそんな考え方をする?」とおかしな点が盛りだくさん。
ラストで明かされる過去を抱えていながら、彼氏をやたらと計算高い目で
見てるのも意味不明だし、見下してた彼氏を終盤では「愛してる」とか言い出すのも
主人公のキャラに一貫性がなくてイラつく。最後も無駄に美談にまとめ過ぎだし。
刑事コンビはそれなりに活躍するのかと思いきやただ状況を説明するだけの役。
というか刑事パートは前半「蛭蛭蛭蛭」うるさくて何かの伏線なのかと思いきや
全然どうでもいいし。山田悠介「リアル鬼ごっこ」の「豪華豪華豪華」描写を
思い出した。
あと言葉のチョイスが古すぎ。今どきの若い女が「ソバージュ」なんかかけるか。
(母に言ったら「お母さんでももうソバージュとは言わないわ」と言っていた)
スマホが浸透してる時代なのに未だにFacebookの使い方を知らない主人公も
意味がわからない。ていうかもうFacebook自体古いのに題材にされても。
クライマックスの、同じシーンを主人公視点と犯人視点から書いた描写も、
「同じ台詞二回読まなきゃいけないのかよ」とうんざりした。ああいう表現を
したいならもっと文章に工夫を凝らさなきゃ駄目だろ。ネットのレビューを見たら
その「場面の重複」を「編集ミス」だと思ってる読者もいたぞ。
レビューといえば本作のことを「作家を目指すひとにとってのお手本のような作品」
と書いているひとがいてげんなりした。何なの今の読書家ってそこまで堕ちてんの?
Amazonのレビューが高評価なのがまったくもって信じられないんだけど、
この愚作を面白いと思うひとがあんなに存在するの?
いやそもそも眼が肥えたひとならこんな本最初から手に取らないか。

百歩譲って作者がまだ若いなら今後の伸びしろに期待出来るんだけど、
作者56歳って。。。56歳でこんな文章しか書けないなんて、
今まで一体何してたの?と思わざるを得ない。

こんなゴミが新人賞の最終選考候補に残るなんて、もう日本の文壇終わりかもなあ。。。
ここ数年読んだ中で最もおすすめしません。
おかしな表現はどこか探して推敲する間違い探しドリルとしては役に立つかもね。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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