常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、
彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。
僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
***
図書館で予約していたものの、待ちきれず買ってしまった本作。
買った三日後に図書館から「来ましたよ」と連絡が来るという間の悪さながらも、
伊坂氏の本だから手元に置いておきたいしな、と思って買ったものを読んだら、
後悔した。
「ラッシュライフ」に見られた伏線の妙もなく、
「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」のような切なさも
帯に書かれていた「切ない」の表記にも拘わらず見受けられず、
作中のエピソードがただただ退屈で読むのに時間がかかり、読了後の感想は
「。。。何だこれ」。
主人公の双子が幼少時父親から虐待を受けていたという設定も、
描写不足でそこまで痛ましくは思えず共感出来なくて、
序盤の「ウサギのぬいぐるみ」の伏線も何だかわざとらしく感じて
それが回収されるときには「何で犯人こんなもの取っておいてるの?」と。
双子の片割れ・風我が、実の叔父から水攻めという虐待に遭っている恋人を
水族館デートに連れていこうとしてるのも違和感がありまくりだったし。
ていうか双子の父親は結局どうなったんだ?という尻切れトンボ感も拭えず。
ラストの優我目線での語りはちょっとうまいなと思ったけど、
伊坂氏の本領はこんなものではないはずなのに、と残念に思った。
あとほかの伊坂ファンがどう思ってるかは知らないけど、もうほんといい加減
ダジャレを作中に散りばめるのはやめてほしい。
ヤフオクで売ります。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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