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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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ひどい話だ。



「オレの愛する妻を殺した犯人がここにいる。犯人には密かに毒を盛った。
自白すれば解毒剤をやる」
「え、え、まさかオレを疑ってないよね…え、苦しい、ウソ、まじ!?」
袋小路に入った主人公と、思わず一緒になって手に汗にぎる「野菜ジュースにソースを二滴」ほか、
短編掌編合わせて12編の傑作コージーミステリー。
「情けない男の滑稽さを書かせたらピカイチ」と、デビュー単行本が各紙誌で取り上げられ、
ノリにノッている著者が贈ります。話題になった、あの各編ごとの「参考文献」も健在。
また、それぞれの作品間にビミョーな繋がりを仕掛けてあります。そちらも併せてお見破りを。

★収録作品★

 野菜ジュースにソースを二滴
 値段は五千万円
 青空に黒雲ひとつ
 天職
 世界で一つだけの
 待つ男
 私のお気に入り
 冷たい水が背筋に
 ラスト・セッション
 懐かしい思い出
 ミニモスは見ていた
 二枚舌は極楽へ行く

***

もともとあまり好きな作家ではなかったのですが、某ミステリ・アンソロジーにて
蒼井氏の〝ラスト・セッション〟を読んでいたく感動、同作が収録されている
本短編集を手にとった次第なのですが。

どうもこの著者の作品は、話が長くなればなるほどダレる傾向にある気がする。
表題作〝二枚舌は~〟なんて途中で読むのがだるくなってきたし(オチも大したことないし)、
同じく本書では比較的長い部類に入る〝青空に黒雲ひとつ〟〝待つ男〟も
ミステリにも関わらずメリハリがなくてのめりこみづらい(唯一の例外である傑作
〝ラスト・セッション〟を抜かせば、〝野菜ジュースにソースを二滴〟が
長い話の中では一番読めた。というかこれもかなりハイクオリティな出来栄えだと思う)。
掌編は妙に味があってかなりのセンスを感じるのにな。
ネタには独特の個性がある作家さんなので、そういうところはもったいない気がする。

系統的にはどことなーく石持浅海氏に似ている気がするので(あっちのほうがアクは
強いですが)、片方が好きな人はもう片方も読んでみてもいいかも。

シュールめなミステリが好きな人におすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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