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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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だいじょうぶよ、こわくない。



逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか――。
理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。

***

正直、本作を読むんだったら、
服部まゆみさんの〝この闇と光〟のほうが数百倍おすすめ。
テーマはかなり近くても比べものにならない。
本作は、確かに映画化しやすい話ではあると思うけど、内容的には凡庸で薄っぺらく
個人的な感想としては一読に堪えるものではなかった。

一章の、主人公が他人の子供を連れて逃げ惑うパートでは、
ひたすら主人公のポエムが炸裂して内容も変化のない描写の連続で
読み進めるのが苦痛だったし、
二章になってからはちょっと面白くなるもののラストがありがちすぎて失笑レベル。
全体に二時間ドラマであるような展開。
主人公が捕まるときに言う台詞も「あー著者これが一番書きたかったんだろうなー」と
簡単にわかるぐらい狙いすぎで鼻白んだし。

駄作ではないんだろうけれど私には受け付けなかった。
繰り返しますが〝この闇と光〟のほうがずっといい。
まああれも、途中までは描写がだるくて読み進めるのがつらいという難点はあるけれど
転換点から畳み込むような怒涛の描写とラストの美しさは傑作の名にふさわしい。

。。。何だか〝この闇と光〟のレビューみたいになってしまいましたが
以上が正直な感想。

映画観ようと思ってたけどたぶん観ないな。
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無題 
最初はNHKの連続ドラマで見ました。

子供をさらう主人公を演じる壇れいさんがあまり好きではなかった私が、毎回彼女に感情移入して「逃げて、捕まらないで!」と思うほど、夫婦揃って毎週テレビの前に釘付けでした。

あのドラマのモデルになった実際の事件は察しがつきますが、不倫相手の子供を愛するという、事実にはなかった発想に胸を揺さぶられました。

今でもテーマ曲の沖縄の子守歌「童神」を聴くと数々のシーンを思い出して涙が出てきます。

しかし原作を読んでみたら、平坦な文章に拍子抜けしました。

ある時期から(純文学→エンタメへギアチェンジ)角田さんは文章をなるべくシンプルに特徴のないものに変えていったそうですが。

私にとっての「八日目の蝉」はあのNHKドラマが最高でした。

でも、私もきっと最後に彼女が叫んだ言葉はこういう言葉だろうな、と気づきましたが、それを娘が知るシーンもドラマの方が上手かったと思います。

それとも私の読書力、文章からの想像力が足りないせいかな?

宮部みゆきさんの作品は、映像化されたものより原作の方が圧倒的に魅力的ですが。





ayumi 2012/02/12(Sun)16:17:12 EDIT
イラヨーヘイ イラヨーホイ♪ 
せめて本だけでも読まねばと昨日はふとんの中でずっとこれ読んでました。。。本当にごめんなさい。。。25日と1日は必ず!

ていうかドラマやってたんですね! 知らなかった。。。
不倫相手の子供を愛する、というのは確かに斬新ですね、言われてみれば。
角田さんは絶対に純文学のほうがいいと思います、個人的には。〝空中庭園〟とかすごくよかったし。
読書力とか想像力は関係ないと思いますよー。だってこの本、ほんとに何もかもが平坦すぎξ私もドラマ観ておけばよかったな。

ちなみに東野圭吾氏は映画とかドラマのほうがいいと思います、私は^^;
kovo 2012/02/12(Sun)18:03:39 EDIT
私と一緒だ! 
私も東野圭吾さんは映像化されたものの方が面白いです。

伊坂幸太郎さんはどうなんでしょうか。
「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」を映画で見て、とても面白かったけど、文体の好みの違いのせいか東野圭吾さんが私は駄目だったので、伊坂幸太郎さんも合わないかも……って思っちゃって。

ちなみに以前大好きだった宮部みゆきさんの作品世界にも最近は入っていけません。時代物はそうでもないのですが。

去年一番良かったのは「こちら、あみ子」でした。
ayumi 2012/02/12(Sun)19:12:32 EDIT
伊坂氏は 
伊坂幸太郎さんはあの独特な文体が持ち味だと思うので、映画化されたものより原作のほうがいいと私は思います(そもそもが私は伊坂氏の『チルドレン』を読んで作家を目指したほどの伊坂幸太郎フリークなので余計にそう思います)。
重力ピエロは特に大好きな作品で外出時はお守りにいつも持ち歩いていたぐらいなので、映画化が決まったときはかんべんしてくれよと思ったものです。加瀬亮は好きだし岡田将生もけっこうハマってたとは思うけど。
うーんでもやっぱり伊坂氏は原作派だなー。あの文体が苦手なひとは映画がちょうどいいのかもですが。

「こちらあみ子」、タイトルだけは聞いたことがあります。今度読んでみます。
kovo 2012/02/12(Sun)20:30:59 EDIT
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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