忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[1701]  [1719]  [1723]  [1711]  [1722]  [1708]  [1707]  [1699]  [1706]  [1698]  [1692
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今も自分のすぐ隣で同じ呼吸をしているのがわかる。



東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の
無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、
「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。
マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、第二、第三の事件が発生。
やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという
共通点が明らかになる。
同時にそのドナーの母親が行方不明になっていた――。
警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、
刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが…。
果たして「ジャック」は誰なのか? その狙いは何か?
憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。

***

王道エンターテインメント。
どんな読者でもとっつきやすく読めるスリル溢れる内容に
臓器移植の是非の問題が絡み、単なる娯楽小説を上回るものに
仕上がっている。
ラストでわかる犯人の犯行動機も斬新で、
「そのためにそこまでするか?」とは思いつつも楽しく読むことが出来た。
(ネタバレにつき伏せ字にしますが、
だってねー、医者としてのプライドを守るために
医療ミスが露見しないよう犯行に及んだ
って言われても、
本当に医者のプライドがあるなら患者の命を無闇に奪うことこそが
最大のタブーだと思うのに)

敢えて言うなら主人公の犬養のキャラがちょっと弱かったのが不満だったかな。
同性の嘘は何でも見抜ける、という特技があまり活かされていなかったし、
最後の犯人の取り調べではさすがにその能力が発揮されるのかと思いきや
それも肩透かしだったし。
彼の相棒の古手川のほうがよっぽどキャラが立っていた。
そして内容には関係ないけど登場人物たちの名前が懲りすぎていて
やや鬱陶しかった。もっと普通の名前でいいじゃないかと。
あと最後に、犬養と彼の娘とのやり取りは物語の要となるのだから
あともうちょっと掘り下げて描写してほしかった気がする。
彼らの確執や絆の描き込みが若干足りない気がしたので。

でも良質なミステリで楽しめました。
ラストシーンはちょっと切なくて好きです。
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]