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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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だけどいまだけは。



僕たちの夏の大冒険は、あまりにも哀しかった――。
得がたい才能を秘めた新人登場!
拓海(たくみ)と啓、雪丸と国実(くにみ)は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。
小学校最後の夏、花火大会の夜に、僕たちは想像を絶するほどの後悔を知った――。
それから20年余り、惨めな遺体が発見され、悲劇の夜の封印された謎に
決着をつける時がきた。
誰もが通る少年の日々を瑞々しく描いて大絶賛された、
第三回新潮ミステリー大賞受賞作。

***

貴志祐介、伊坂幸太郎、道尾秀介。
この三人の著作を初めて読んだときには、彼らにしか書けない世界観、
ミステリ部分の面白さに非常に唸らされたものです。
その三人が選考委員を務める小説賞の受賞作というから読んでみたら。。。

これ、短編でよくないか?というのが読後最初の印象。
これだけのことに400P近くを費やす意味がわからない。
あと、事件が起こるまでの描写が長過ぎる。何度放り投げようと思ったことか。
文章が非常にうまく(漢字を開き過ぎとは思ったけれど)、主人公たちの心理描写も
卓越している(小学生がこんな大人びたものの考え方するか?とは思うものの)けれど、
それがなかったら途中で読むのをやめていたと思う(実際一度図書館に返してる)。
事件の真相も、あまりにありがち過ぎて「まさかそんなベタなオチじゃ
ないだろう」と思っていたが故に逆に読めなかった。
二時間ドラマよりも薄っぺらい事件と真相。
仮にも「ミステリー大賞」と銘打っているのだから、それに相応しい作品を
選ぶか、もしいい作品がないのなら「該当作なし」にするべきだったのでは。
ミステリ部分を抜かして少年たちの青春譚として読んだとしても、
友人関係を書いた秀作ならほかにいくらでもあるし本作を読む必然性を感じない。
そしてちょっとクサい。
クライマックスの誘拐事件も、取ってつけたようで蛇足に感じた。

ひと言でいえば「地味」な小説だった。

更にひと言付け加えるならば、女はあんな変な映像喜んで見たりしません。
吐き気を催して放り投げるのが普通。
それと、作中に「嘆息をつく」っていう表現が何度か出てくるけど、
「嘆息する」か「溜め息をつく」が正解では?
 
このひとの著作は今後読むことはないかな。

それにしても、同賞の受賞作
「サナキの森」は使い古されたトリックのラノベだったし、
「レプリカたちの夜」は独特の世界観はあるけれどまったくもって
ミステリじゃないし単純につまらなかったし、
三人の選考委員が何を考えているのかはっきり言ってわかりません。

色々な意味でがっかりした。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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