わたしたちは永遠の共犯者。二度と離れることはない―(「Partners in Crime」)。
夏祭りの日、少年は少女と町を出る(「Forever Friends」)。
難病におかされた少年に起こった奇跡(「美しき余命」)。
“交換殺人してみない?”冗談のはずが、事態は思わぬ方向に(「カフカ的」)。
苦境の作家の会心作。だが酷似した作品がインターネット上に―(「代償」)。
五人のミステリ作家が描く、共犯者たち。驚愕のアンソロジー。
***
◆Parters in Crime/秋吉理香子◆
元々B級ミステリを書く作家さんですが、本編もやはりB級。
うまくまとまっているとは思うけど、深みを感じられなかった。
私の中では「それなりに面白い作家さん」の域を出ないまま。
ヒロインの行動も「?」という点が多かった。
◆Forever Friends/友井羊◆
青春譚も交えた素敵な話。
本アンソロジーの中では、淡々としながらもレベルが高い。
痛くて切ないラストが刺さる。
◆美しき余命/似鳥鶏◆
今までこの作家さんは好きではなかったけれど、本編で見直した。
ミステリ要素は弱いですが、昨今の「本当のことをろくに知りもせず
与えられた情報だけで相手を一方的に判断する」
という人間の薄っぺらさ、マスメディアの危うさへの問題提起力がすごい。
深みもある。非常に面白く読めた。
◆カフカ的/乾くるみ◆
好きな作家さんでしたが、本編はクソだった。
滅茶苦茶過ぎて逆にオチが読めないという。。。
メフィスト作家は何故こうも書く作品が玉石混交なのか。
読んだ時間返してほしい。
もうちょっと書き込めばいい作品になったのにと思えるぶん残念。
◆代償/芦沢央◆
速攻オチ読めた。
芦沢氏は好きな作家さんだけど、「獏の耳たぶ」など駄作を書くことも
あったりするので油断が出来ない。本編は駄作とまではいかないけど
期待していたぶんがっかり感が半端なかった。
「許されようとは思いません」とか面白かったのにな。。。
それにしても、五編中三編が不倫ネタというのはちょっとアレでは。
まあまあ楽しめましたが。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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