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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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戻ってきてほしい。



7日のあいだ対象の人間を観察し、「可」か「見送り」かを判定。
「可」の場合8日目にその人間の死を見届ける存在、死神。
死神の千葉は、娘を殺した犯人を追う夫婦の敵討ちに参加するが…。

***

連作短編集〝死神の精度〟にいたく感動し
この度の満を持しての続編にまっしぐらに飛びついた私。
ここ最近の伊坂作品は論が先に立っているというか、くどくどしくて
敬遠していたところもあありましたが、今回はなかなかどうして
ハリウッド映画ばりにエンタメしていつつもしっかりと深みもあり
楽しく読むことが出来た。

ちょっとご都合主義な展開もあったし
相変わらず既存の文献からの引用も多かったりして
そこは伊坂氏の個性をもっと爆発させてくれよと思いもしたけど
まあ許容範囲かな。
見えない力で善意の人間が悪者に仕立て上げられそうになる、という
展開もちょっと同著者の著作〝ゴールデンスランバー〟とかぶってたけど
本作には本作なりの独自性があったからそこにも目をつぶるとしよう。
何よりラスト、死神とはいえ神様と名の付く存在から
あんな言葉をもらえるなんて、本作のもう一人の主人公・山野辺は
なかなか大した、そして羨ましい人間だな、とぞくりともした。

死神が主人公の話であるせいか、
本作には〝死とは何か〟であるとか死に対する逃れられない恐怖とか
そういうことが割と真面目に書かれていてちょっと重い気持ちにも
させられるけど、
そこはさすがの伊坂節というか救いの言葉もちゃんと書かれているので
恐れず手に取って見てください。

なかなかにおすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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