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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「継母が父を殺した」
再婚してわずか二年。父の死後、遺産とビジネスを継ぎ活躍する継母の姿に、
女子高生の瑠璃はそう確信した。
彼女は自らの死で罪を告発するため山奥で首を吊ろうと決意するが、
訪れた自殺の名所で“幽霊"の裕章と出会った。
彼は継母の罪の証拠を見つけようと提案する。
期限以内に見つからなければその時死ねばいいと。
今日から六日後――それが瑠璃の自殺予定日となった。
すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!

***

まあ何というか。。。良くも悪くも秋吉理香子さんでした。
謎の提示は魅力的だけど、内容がだいたい読めてしまうという。
そしていかにも悪役な感じの登場人物が実はいい人だったという
オチまで同じ。文体が異様に軽いのも、読みやすいは読みやすいけど
心に響くものがない。

継母に「友人の家に一週間ほど泊まる」と言いながら家を出る主人公ですが、
一旦継母の不在を狙って宿泊先から自宅に忍び込みます。
「家に帰った痕跡を残さないように」必死で頑張る主人公ですが、
自室のノートパソコンを持ち出すという間抜けぶり。
部屋からノートパソコンがなくなってたらさすがに継母も気付くだろうに。
でもその点については作中で何のフォローもなし。
終盤で明かされる、「幽霊」裕章のある秘密についても、いくら何でも
無理がありすぎ。いい大人がこんなことに協力しないでしょ。というか
皆役者でも何でもない素人なんだから速攻嘘がばれるでしょ。
色々と詰めが甘いと思った。

ガラス越しのキスとかもシティーハンター(古いですね、すいません)かよって
感じだし、ラストの裕章や主人公の女友達の台詞も悪い意味で少女漫画みたいで
読んでてこっちが恥ずかしくなってしまった。
いっそすがすがしいほどの徹底したハッピーエンドっぷりも少女漫画的。
まあ、「自殺を決意した主人公」が最後に本当に死ぬなんてないっていうのは
だいたいの人が予想がつくことだろうけど、それにしても何もかもが
都合よく解決し過ぎ。
そもそもが好感を抱ける主人公じゃないし、思い込みが強くて勝手に
人を恨んで暴走してるだけなので、幸せになったところで
「よかったね」と喜ぶ気になれなかった。
というか主人公が裕章を好きになった理由はわかるんだけど、何で裕章が
主人公を好きになったのかがわからない。それが本作最大の謎。

色々と薄っぺらい物語でした。
十代ぐらいの子だったら面白く読めるのかな。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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