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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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生き残りたければ、戦うしかないということなのか。



11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、
次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。
昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。
逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、
一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。
これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。
安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった――。
最後明らかになる驚愕の真実。
ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!

***

どうした、貴志!?
。。。と読み終えて思わず胸中で呟いてしまった。
元々ものすごいハイクオリティなB級作品を書くひとだけど、
これはただのB級。
あらすじにも書かれているラストのどんでん返しも、
本格ミステリ作家が売れない時代に書いてそうな内容で興ざめ。
いやそれは無理あるだろってところもありまくりだし。
前半のハチとの格闘シーンも全然面白くない。
だって主人公が言ってるように、最初から山荘燃やしちゃえば
それでハチ全滅して終わるんだもん。
逃げられない、絶体絶命、なんて切羽詰った部分ないんだもん。
比喩表現が大袈裟で手垢まみれなのも鼻白んだ(比喩が大袈裟なのは
今に始まったことじゃないけど、これまでは作品が面白いから
それもご愛嬌ってことで許せた。でも作品のレベルが低いと
こうも鼻につくものなのだと初めて気付かされた)。
中盤まで対ハチアクション、後半~ラストで微妙な本格ミステリになり、
ラストシーンは素人が書くような薄っぺらいホラーエンド。
大好きで著作を全部読んでいる貴志祐介氏、
私的に面白くなくなったなと思い始めたのは゛狐火の家〟あたりからですが、
初期のころの、読者をぐいぐい惹き付けて離さない、
バリバリのエンターテインメントにして物語としての深みも兼ね備えている、
そんな彼の作品にもう一度出会いたい。
久々の新作ということで非常に心待ちにしていただけに残念でした。
次回作に期待します。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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