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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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この国は永遠に夜のまま。



この国は戦争に負けたのだそうだ。
占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。
はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、
町の人間は経験がないからわからない。
人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない――。
これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。
どこか不思議になつかしいような、誰も一度も読んだことのない、
破格の小説をお届けします。
ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。
伊坂幸太郎が放つ、10作目の書き下ろし長編。

***

構成力はさすがだし、伝えたいテーマもわかるんだけど、
普通に読み物としてどうかと言われれば「面白くない」。
伊坂氏はどんどん哲学的というか寓話的な方向に作風がシフト
しちゃってるんだよなー。
こういうのが好きなひともいるんだろうけど、
私は氏の作品が純粋にエンターテイメントしていたころのほうが好き。
(〝アヒルと鴨のコインロッカー〟とか〝チルドレン〟とか)

というか本作、かの人気漫画〝進撃の巨人〟と世界観が丸被りで、
読んでる間中既視感がつきまとっていて、
そしたら案の定オチがあれなものだから「あ、やっぱり影響されてるな」と
思わずにいられなかった。
〝ゴールデンスランバー〟だって〝20世紀少年〟の焼き直しって感じだし、
要するにオリジナリティがない。
伊坂氏の持ち味はほかの作家には絶対出せない独特のオリジナリティに
あるのに。。。
個性なくなっちゃったよなあ。大好きな作家さんだから何だかすごく残念。
似てるといえば貴志祐介氏の〝新世界より〟にも雰囲気がちょっと似てた。

私的にはおすすめしません。
次回作に期待。
というかそろそろまたミステリ書いてほしいなー。
ミステリアンソロジー収録の〝Bee〟だって全然ミステリじゃなかったし。

どうか初心に戻ってください伊坂さん。
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いらっしゃいませ。



亭主関白の真逆を体現する男・兜。愛する息子も恐妻も知らない、
彼の本当の職業は…殺し屋!?(「BEE」)。
故郷の自然と思い出を守りたい。そんな主人公・夏美の前に現れた、不思議な男。
彼の正体は…?(「二百十日の風」)。
大人気、佐方検事シリーズ最新作。相次ぐ郵便事故に目を留めた佐方は、
ありえない秘策で事件を解決する!?(「心を掬う」)。
今回の名探偵は…著者人気シリーズ「アゲハ」から飛び出した、
ハラマキ捜査官の愛娘・菜月(8歳)(「18番テーブルの幽霊」)。
大人気作家オール書き下ろし、“人の死なない”ミステリー。
心にしみる、とっておきのアンソロジー。

★収録作品★

 Bee/伊坂幸太郎
 二百十日の風/中山七里
 心を掬う/柚月裕子
 18番テーブルの幽霊/吉川英梨

***

◆Bee◆

伊坂氏独特の癖のある文章がいい感じにくだけていて、
読みやすかった。
ハチを退治するくだりが面白い。
でも。。。これミステリか?
展開もオチもあまりに凡庸でミステリとしての面白さは
正直感じられなくて残念。

◆二百十日の嵐◆

抜群の文章力と独特のセンスを持つ作家さんなので
最後まで安定して楽しく読むことが出来た。
内容もファンタジーが絶妙に絡みつつしっかりミステリしているし。
ラストシーンには背筋に鳥肌が立った。
おすすめ。

◆心を掬う◆

謎を提示する導入部分が何だか不自然で、
しかもその謎の内容も「手紙が相手に届かない」という
正直興味を惹かれないものなので、あまり面白くなかった。
タイトルも内容にぴったりといえばぴったりだけど
あまりにド直球すぎてクサいような気がした。
あまり楽しめなかったな。
そういえば著者のデビュー作〝臨床真理〟も
楽しめなかったんだった、と思い出してみたり。

◆18番テーブルの幽霊◆

〝しあわせなミステリー〟と冠するに一番ふさわしい内容だった。
ミステリとしての構成もしっかりしているし、
読後感もほのぼのしていていい。
ただ、話の終わりの著者コメントが。。。「疾走感がある」って
自分で自分の作品を評するのはどうかな、と
どうでもいいことを思ってしまった。が、どうしても気になった。
でもまあいい話でした。
受け入れ、全てを与えている。



綺羅星の如く輝く、五つの物語。
デビュー当時の“文圧”はそのままに、透明感を増す、舞城ワールドの新ステージ!

★収録作品★

 美しい馬の地
 アユの嫁
 四点リレー怪談
 バーベル・ザ・バーバリアン
 あうだうだう

***

こちらが恥ずかしくなってしまうほど
己を剥き出しにしてくる作家さんだな、と
舞城氏の著作を読むたびにいつも思う。
例えが悪いけど
すっぽんぽんになって変な踊りを踊りつつ
「ほら、見てよ!」
とでも言われているような。しかも本人悪ふざけでも何でもなく大マジ、みたいな。
それでも眼を逸らさずにちゃんと見るとそこにはとても大事なものが見えてくる。
いつもそんな風に感じさせてくれる貴重で面白い作家さんだと思う。

私がデビュー当時からずっと芥川賞を獲ってほしいと思っていたのは
田中慎弥さんとこの舞城王太郎さんで、
田中氏は既に受賞を果たしたので残るは舞城さんのみ。
本作で今回候補になったけど受賞には及ばず、けれど
舞城氏はこれ以上に面白いものを絶対に書けるひとだと思うので
皆が引くぐらいに舞城節全開の作品で是非受賞を果たしてほしいと思う。

絶望をさらりと、けれど決してないがしろにすることなく描けるこのひとが、
私はとても好きだ。
これからも応援してます。
カーテンの向こう側は薄暗い。



元写真週刊誌の記者・タカツキリクオは、謎の雇い主カキオカの依頼のもと
「Q」と呼ばれるアイドルのパパラッチを行う、モニタリングチームの一員。
最新機器を駆使し、綿密なチームプレイで最新のターゲット、
EDのミカを追い詰めてゆく。
ところが、新たにメンバーに加わったニナイケントという男が
少しずつ不審な動きを見せてきたのと同時に、
チームのメンバーたちが次々と何者かの襲撃を受け始める。
敵の正体もわからないまま、一転して追われる側になった
タカツキが取った行動とは――。

***

まあ全体を通して著者が言いたかったのは、
〝時代とは移り変わるもので起こる出来事も一定ではない〟
ってことなのだろうなあと。
まったく同じ行動をとっても時代が違えば結末も変わってくる。
それが250Pの中に綺麗におさまっていたと思う。

脚本のト書きのような文体は、
著者の狙いなんだろうけど私的にはあまり受け付けなかった。
敢えて地の文を過去形にしないことで
時間の流れ、大げさに言えば刻々と移り変わる時代の動きを
表現したかったんだろうけど、読み物としては面白くない。

作中に頻繁に出てくる〝引き寄せの法則〟も、
うさんくささ満点で(それも著者は狙ってるのかも知れないけど)
アカシックレコードまで持ち出されてうんぬん言われても
少しも「ああそういうこともあるかもしれないなあ。。。」とは
思えなかった。
この法則がもうちょっと読者に信憑性を与えるように書かれていれば
ラストの印象もまた違ったものになったのではないかと思う。
きっともっと著者が言わんとする〝時代は流れる〟ということに
説得力が増したはず。

あとは単純に主人公たちが裏世界で展開する物語が
面白くない。
ここをもっと迫力や緊張感をもって書いてくれていたら
もっと面白く読めたのに、と残念。

あと一歩で傑作足り得た作品。
偉そうに言わせてもらえばそんな印象を受けた物語だった。
でも決して駄作ではないし私はけっこう好きです。
ED(このネーミングもどうかと思うけど)みたいなアイドルグループが本当にいたら
ボカロ好きの私はたぶん間違いなくファンになってるな。
僕は、愛されたかった。



“聖なる愚か者”吉田青年を巡る奇妙な物語 これぞ超前衛!
「人はなぜ生きるのか。なぜ愛するのか」
滑稽なほど清い心を持つ吉田青年が引き起こす、
馬鹿馬鹿しくも美しい精神のドラマ。
めくるめく会話劇!

***

うーん、肌に合わなかった。
面白くないというよりは、「肌に合わない」という表現がぴったり。

作中の90%が会話で占められているという構成は斬新で面白いし、
私は無宗教なりに花村萬月氏の〝王国記〟みたいな神をモチーフにした話も
大好きなのだけど、似たモチーフでも本作は駄目だった。

文中にやたら親友って単語が出てくるのも、
独特の世界観を表現する上の手法のひつとしてまあ理解はできるんだけど
「軽々しくそういう単語を口にするなよ」と肌が受け付けなかった。
登場人物たちの話し方も数十年前の翻訳もののミステリみたいで
どうもしっくり馴染まなかった(本作が実際外国の古いミステリなら
何の違和感もなく読めたんだろうと思うけど)。

主人公の吉田青年も、著者は彼の成長譚を書きたかったんだろうけど
自分の考えを己に都合のいいように捻じ曲げ、しかもそのことに無自覚という、
ただの愚かな偽善者にしか見えなくて好きになれなかった。

病的なまでの博愛主義者が本当の愛情とはどういうものかを見つける件では
ちょっとじんときたけど、600Pもかけて読みたい物語ではなかった。

駄作ではないけど特におすすめもしません。
その枝にきっと花は咲くだろう。



偉大なピアニストだった亡き父を未だに憎む智也に遺されたのは、
440HzのAというたったひとつの音を聴きとる絶対音感だった。
今は音楽から離れ細々と便利屋を営んでいる彼の元へ、
ある日突然野良犬のごとく転がり込んできた英治は、ワケアリの過去を持つ一文無し。
そんな彼らの所に、音楽学校首席の女子高生・奏恵からとんでもない依頼が舞い込んだ。
「私を、音楽で感動させてください」
優れた絶対音感を持つ彼女から高飛車に告げられた不可思議な依頼に巻き込まれ、
音楽に翻弄される彼らが奏でるそれぞれの“音”物語。

***

特定のジャンルに絞った話を書く作家さんの作品を読んでいつも思うことだけど、
よく勉強してるなあ。。。
子供のころにちょっとピアノを齧っただけの著者がここまでの音楽表現を
ものにしているなんて、と舌を巻く思い。

文章も一応ラノベというカテゴリに入るにしてはしっかりしていて
普通に単行本で出ていてもいいレベル。
何より登場人物たちが皆魅力的で読んでいて非常に楽しかった。

物語にどういう結末がつくかは簡単に予想出来てしまい
実際そのとおりだったので「ああ、やっぱりな」と特に感動もしなかったけれど、
そして最終章〝アンコール〟での〝父親〟の台詞も
想定の範囲内だったので「言うと思った」とは思ったけれど、
それでもそれなりに感動はした。
父子ものは弱いんだよなー昔から。

何故父親がベーゼンドルファー(ピアノの名前)でなければ弾かなかったのか、
その真相が明らかになったときには音楽好きとして血が騒いだ。

傑作というほどではないけれど良本です。

ちなみにこれ↓作中に出てくるベーゼンドルファー・インペリアル。

piano.jpg










本にまつわる謎の話。



鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。
だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、
戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。
変わらないことも一つある――それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。
まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、
人の秘密、そして想いがこもっている。
青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき――。

★収録作品★

 プロローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)
 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワ文庫NV)
 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)
 エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)・Ⅱ

***

ビブリアシリーズ第二弾(第一弾のレビューはこちら)
売れに売れている本作、確かにそれも頷けるほど面白い。
特に本好きの知識欲を魅力的な蘊蓄でこれでもかと満たしてくれる。
ストーリーにのめり込むうちに作中に出てくる古書を読みたくなってくるような、
「こんな本があるんですよ」と紹介でもしてもらってるような感じがあって
ひと粒で二度おいしい設定になっている。

本作は大輔の元カノが出てきたり栞子さんのちょっとした過去が明かされたりと
大きな展開もあって楽しい。

それにしてもページ最後の参考文献。。。
プロの作家さん皆に言えることだけど、ほんとよく勉強してるよなあ。。。
見習わないと。
やはり傑作を書くためには相応の下準備が必要ということですね。

非常におすすめです。
大輔と栞子さんの仲も微妙に進展してほほえましい。
君と共に春を待とう。



ずっと妹と二人で生きてきた結城佳帆は、ある日、
図書館の司書、舞原葵依に恋をする。
真っ直ぐな心で、彼への想いを育んでいく佳帆だったが、
葵依には四年前に失踪した最愛の妻がいた。
葵依の痛みを知った佳帆は自らの想いを噛み殺し、彼の幸せだけを願う。
届かなくても、叶わなくても、想うことは出来る。
穏やかな日々の中で彼の再生を願う佳帆だったが、
彼女自身にも抱えきれない哀しい秘密があって…。
喪失と再生を描く『雪』の青春恋愛ミステリー。

***

前にも同じことを書いたのですが、
本大好きな私にも苦手なジャンルというものがいくつかあり、
その中のひとつが〝ラブストーリー〟で、
無理に読んでも「けっ。勝手にやってろ」とか思ってしまうのですが(←性格悪い)、
綾崎氏の恋愛小説だけは何の抵抗もなく読めてしまう。
特に〝花鳥風月〟シリーズ四作目にあたる本作は、
恋愛に見事にミステリ的趣向が凝らされていて、
その仕掛けに気付いた瞬間、深い驚きと共にありえないほどの切なさを感じさせられた。
主人公が恋に落ちた理由に涙が出そうになった。
「ああ彼女の妹はこの出会いを予感してたんだな、最愛の姉を想うあまり、
彼女の未来が見えたんだな」と。

〝ノーブルチルドレン〟シリーズを先に読んでいた私としては
あのシリーズに登場する某人物が故人になってしまっていたことはショックでしたが、
読後「ああとてもいいラブ・ストーリーを読ませてもらったな」と
素直に著者に感謝したくなってしまった、そんな物語だった。

この著者の著作は悲恋とハッピーエンドが絶妙のバランスで織り交ぜられた
とても優しいものが多いので好きです。

おすすめ。
一応シリーズものですが、本作だけ読んでも楽しめます。

ああ、それにしても、こういう物語を読むと無性に恋がしたくなるなあ。
まあもうしてるんだけどさ。

繰り返しになりますが、非常におすすめです。
あなたのためならなんでもする。



普通の町に生きる、ありふれた人々がふと魔が差す瞬間、
転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。
現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集。

★収録作品★

 仁志野町の泥棒
 石蕗南地区の放火
 美弥谷団地の逃亡者
 芹葉大学の夢と殺人
 君本家の誘拐

***

著書は全作持っているほどの辻村ファンの私。
今回の直木賞受賞は嬉しい限り。おめでとう、深月さん。

。。。でも正直、本作で獲ってはほしくなかったなあ。
元々ミステリ作家なのに〝芹葉大学の夢と殺人〟以外は
まったくもってミステリじゃないし、
全体としてのインパクトも弱い。
〝直木賞受賞作〟という看板に惹かれて本作を手にとったひとに、
辻村深月がこの程度だとは思われたくない。
彼女の実力はこんなもんじゃないから。

彼女の作品は読むたびにこちらの心を不安定にする。
それは、出てくる人物たちが皆身近にいそうなほどリアルな欠点を抱えているから
それが自分自身や自分の周囲の人間と重なって見えてしまうからだと思う。
本作は特にそれが顕著で、一編一編を読むたびに
「ああいるわ、こういうひと。。。」とおぞましさにも似たものを感じて
気持ちが悪くなってしまった。
エピソードもいちいち具体性があって、過去の古傷抉られるような感じがして
眼を背けたくなってしまった。
まあもちろんそこまでのものを読者に感じさせる手腕はすごいのですが。

ただ、単にリアルでさえあればそれでいいというわけじゃなく、
やっぱり物語である以上もうちょっとのインパクトはほしかった。
ものすごく丁寧に人間心理を書き込んではいるけど、何だか地味なんだよな。
彼女のよさはやっぱり短編じゃなく長編にこそ顕れると思う。

というわけで彼女の神髄を知りたいひとは
手始めにデビュー作〝冷たい校舎の時は止まる〟、
子どもたちは夜と遊ぶ〟(オチは読みやすいけど私はこれが一番好き)なんかを
是非とも読んでみてください。

それにしてもAmazonとか見ると
直木賞受賞作の割にはあまり注目されてないな、本作。。。
あれこそが正義だった。



弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。
死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。
だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。
「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生。

***

通っている小説教室にゲスト講師としていらしてくださった
ミステリ評論家の先生が、
「これだけは読んでおくように」と勧めていたので読んでみた作品。

いや~、ここまで正統派なミステリを読んだのは久しぶりで
ミステリフリークの血が騒いだ。
少年院や法廷のシーンも、本職かってぐらいに入念に調べて書かれていて
臨場感たっぷりだったし。
(最後に書かれていた参考文献は私も過去に買って読んだことがあるのだけど、
あの文献からだけではとてもここまで緻密な描写は出来ないはずだから
たぶん著者は相当に勉強したのではないかと)
ところどころ突っ込みたくなる瑕疵は見受けられるのだけど、
(重要かと思えた伏線がそのまま解消されることなくフェードアウトしてしまったり)
全体としてはそんなこと気にならないぐらい楽しんで読めた。

そしてやっぱり音楽ミステリでデビューした著者なだけあって、
作中に出てくるピアノの描写の見事なこと。
音楽ミステリばっかり書いている私としては非常に勉強になった。

犯罪者から弁護士になった人間というのは実際に存在して、
その人物を描いた書籍も出ているので(〝心にナイフをしのばせて〟)、
著者はそれも参考にしたんじゃないかな。

ひとが罪を償うというのはどういうことなのかを
真剣に考えさせられた作品でした。

とてもおすすめ。
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自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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