それ以外には、なにもない。
無数の時計が配置された不思議な回廊。その閉ざされた施設の中の時計はすべて、
たった一つの例外もなく異なった時を刻んでいた。
すなわち、一分ずつ違った、一日二四時間の時を示す一四四〇個の時計――。
正確な時間を示すのは、その中のただ一つ。夜とも昼とも知れぬ異様な空間から脱出する条件は、
六時間以内にその“正しい時計”を見つけ出すことだった!?
神の下すがごとき命題に挑む唯一の武器は論理。奇跡の解答にはいかにして辿り着けるのか。
極限まで磨かれた宝石のような謎、謎、謎!
名手が放つ本格ミステリ・コレクション。
★収録作品★
使用中
ダブル・プレイ
素人芸
盗まれた手紙
イン・メモリアム
猫の巡礼
四色問題
幽霊をやとった女
しらみつぶしの時計
トゥ・オブ・アス
***
某アンソロジーで読んだ〝使用中〟があまりに面白かったので、
それが収録された短編集がついに発売されたのは嬉しい限り。
全体としては、面白いけれど少しひねりすぎで一発ではわかりづらい話が多かった印象。
真相解明の瞬間の「そうだったのか!」という驚きが何よりの醍醐味であるミステリにおいて、
一度脳内で租借しなければ意味を汲み取れない内容が多いというのは問題な気が。
〝盗まれた手紙〟や、何より表題作〝しらみつぶしの時計〟は、もはやミステリを通り越して
〝頭の体操〟状態だし(あのシリーズは子供のころから大好きで読んでいてとても楽しいですが、
それはあれがあくまでクイズ本だからで、物語を置き去りにして謎だけをポンと提示されても
小説を読んでいる気になれない)。
特に表題作のほうは文系の私にはきつかった。読んでて意識が朦朧としてきたし。。。(オチには
おっと思わせられましたが。でも、この手の話と〝小説〟という文章のみの表現手段は
正直相性が悪い気がする。映画か、せめてマンガ等の絵(ビジュアル)が伴う媒体だったら
もっとわかりやすく面白くなったはず)。
〝猫の巡礼〟は平山夢明氏や遠藤徹氏あたりが書きそうな、妙な世界観に妙な登場人物、
挙げ句オチらしきオチもないまま終わる「著者はこの作品を通して何を言いたかったんだろう」的な
何とも言えない話だし、〝四色問題〟は面白いは面白いけれど、「何でその程度の手がかりで
そんなことまでわかるんだよ」と言いたくなるほどの超能力(もしくはご都合主義的)推理だし、
本短編集の中で(〝使用中〟を除いて)一番まともかつシンプルに本格ミステリしていたのは
〝幽霊をやとった女〟ぐらいだったような。。。
まあそれなりに楽しめましたが。
でも私の中では〝使用中〟を超す話は本作の中にはなかったな。
あー、理系の人に解答編だけ隠して表題作を読ませて、解けるかどうか試してみたい。
ところでこの小説にも本作の表題作とまったく同じ時計ネタが出てくるのですが、
出典はやっぱりどっちも〝頭の体操〟?
無数の時計が配置された不思議な回廊。その閉ざされた施設の中の時計はすべて、
たった一つの例外もなく異なった時を刻んでいた。
すなわち、一分ずつ違った、一日二四時間の時を示す一四四〇個の時計――。
正確な時間を示すのは、その中のただ一つ。夜とも昼とも知れぬ異様な空間から脱出する条件は、
六時間以内にその“正しい時計”を見つけ出すことだった!?
神の下すがごとき命題に挑む唯一の武器は論理。奇跡の解答にはいかにして辿り着けるのか。
極限まで磨かれた宝石のような謎、謎、謎!
名手が放つ本格ミステリ・コレクション。
★収録作品★
使用中
ダブル・プレイ
素人芸
盗まれた手紙
イン・メモリアム
猫の巡礼
四色問題
幽霊をやとった女
しらみつぶしの時計
トゥ・オブ・アス
***
某アンソロジーで読んだ〝使用中〟があまりに面白かったので、
それが収録された短編集がついに発売されたのは嬉しい限り。
全体としては、面白いけれど少しひねりすぎで一発ではわかりづらい話が多かった印象。
真相解明の瞬間の「そうだったのか!」という驚きが何よりの醍醐味であるミステリにおいて、
一度脳内で租借しなければ意味を汲み取れない内容が多いというのは問題な気が。
〝盗まれた手紙〟や、何より表題作〝しらみつぶしの時計〟は、もはやミステリを通り越して
〝頭の体操〟状態だし(あのシリーズは子供のころから大好きで読んでいてとても楽しいですが、
それはあれがあくまでクイズ本だからで、物語を置き去りにして謎だけをポンと提示されても
小説を読んでいる気になれない)。
特に表題作のほうは文系の私にはきつかった。読んでて意識が朦朧としてきたし。。。(オチには
おっと思わせられましたが。でも、この手の話と〝小説〟という文章のみの表現手段は
正直相性が悪い気がする。映画か、せめてマンガ等の絵(ビジュアル)が伴う媒体だったら
もっとわかりやすく面白くなったはず)。
〝猫の巡礼〟は平山夢明氏や遠藤徹氏あたりが書きそうな、妙な世界観に妙な登場人物、
挙げ句オチらしきオチもないまま終わる「著者はこの作品を通して何を言いたかったんだろう」的な
何とも言えない話だし、〝四色問題〟は面白いは面白いけれど、「何でその程度の手がかりで
そんなことまでわかるんだよ」と言いたくなるほどの超能力(もしくはご都合主義的)推理だし、
本短編集の中で(〝使用中〟を除いて)一番まともかつシンプルに本格ミステリしていたのは
〝幽霊をやとった女〟ぐらいだったような。。。
まあそれなりに楽しめましたが。
でも私の中では〝使用中〟を超す話は本作の中にはなかったな。
あー、理系の人に解答編だけ隠して表題作を読ませて、解けるかどうか試してみたい。
ところでこの小説にも本作の表題作とまったく同じ時計ネタが出てくるのですが、
出典はやっぱりどっちも〝頭の体操〟?
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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