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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「爆弾持ってこい。あんたを殺してわたしも死ぬ」
「落ち着いて、落ち着いて」




穂村チカ、高校一年生、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。
上条ハルタ、チカの幼なじみで同じく吹奏楽部のホルン奏者、完璧な外見と明晰な頭脳の持ち主。
音楽教師・草壁信二郎先生の指導のもと、廃部の危機を回避すべく日々練習に励む
チカとハルタだったが、変わり者の先輩や同級生のせいで、
校内の難事件に次々と遭遇するはめに――。
高校生ならではの謎と解決が冴える、爽やかな青春ミステリの決定版。

★収録作品★

 結晶泥棒 
 クロスキューブ
 退出ゲーム
 エレファンツ・ブレス

***

デビュー作〝水の時計〟ととはまったく違うポップでリズム感のいい文体&内容に
まずは驚かされさた。しかもシリアスものもいいけど、初野氏はこの手の小説のほうが断然うまい。
某アンソロジーで読んだ表題作〝退出ゲーム〟に惹かれて本作を手に取った次第なのですが、
全編楽しく読むことができた。
登場人物はそれぞれキャラが立ってるし、美形で天才的頭脳を持っているのにどこか抜けてる
ハルタとそんな彼の尻拭いをいつもさせられる幼馴染で主人公の少女・チカの関係が絶妙。
幼馴染で気の置けない関係で姉と弟のようででも基本的には認め合っているライバルで。。。って
ほんと最高の関係だよな(いや、でも、チカも作中で言っているように、たったひとつだけ
最低な関係性がありますが。。。)。
この二人(に限りませんが)の掛け合いに何度爆笑させられたことか。
ていうか小説を読んで声をあげて笑ったのって久しぶり。しかも数え切れないほど。
かと思えばホロリとさせられるし、本当によく出来たミステリ短編集ですこれは。
音楽ミステリ・演劇ミステリ・美術ミステリといった〝芸術系ミステリ〟をくまなく堪能できるのも
本作のいいところ。全部が好きな私はかなり満喫させてもらいました。

まあ、最終話〝エレファンツ・ブレス〟はちょっと皆高校生なのに知識ありすぎ、と
軽く思わないでもありませんでしたが、目をつぶります。この面白さに水はさせない。

加藤実秋氏の〝Club Indigoシリーズ〟や金城一紀氏の〝ゾンビシリーズ〟が好きな人は
特におすすめ。ノリや空気感が似ているので。

ところで本作、最後の一行を読んだ限りじゃ続編が遠からず出るみたいなので楽しみです。



おまけ:
作中に出てきた「水野晴郎が出ていたころの金曜ロードショーのテーマ曲」とはこれ↓です。
口ずさめる人、少なくとも二十代半ばは超してるはず(^皿^)
(ちなみに私はバリバリに口ずさめました


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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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