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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「異議あり!」



有罪、それとも無罪?
被告人の運命は、あなたたち六人に委ねられた。
いわくありげな裁判員たち、二転三転する評議、そして炸裂する究極のどんでん返し!
裁判員制度のすべてがわかる、傑作リーガルサスペンス。

★収録作品★

 審理 
 評議 
 自白

***

裁判員の通知書、受け取った人の四割が「断りたい」と言っているようですが。。。
じゃあ私と変わってください。ミステリ書きとしては是非参加したいと常々思っていたのに
そういう奴に限って選ばれないようで通知は届かないありさま。。。

といった御託はまあ置いといて、裁判員に選ばれた人はおそらく最低限
裁判、そして裁判員というものについて勉強してから法廷に臨むのでしょうが、
その手始めに本作を読んでみるのもいいかもしれません。
登場人物たちが多少デフォルメされて描かれてはいますが、裁判員制度の何たるかが
おおよそ掴める内容になっています(もちろんすべてを鵜呑みにしては駄目ですが)。
もちろん物語としても面白いので、下手な入門書を読むよりすんなりと頭に入る。

ただ、これだけのベテラン作家さんにこんなことを言うのは難なのですが、
芦辺氏の文章ってどこか悪文というか、難しい漢字や言い回しを使っているわけでもないのに
妙に読みにくいんですよね。。。お陰で、それぞれが独立した物語である三編のうち
一つ目と二つ目が続き物なのだと思い込み
「あれ? 何で一話目と被告人&被害者が違うの?」と違和感を覚えて初めて
二話目がまったく別の話だと気づいた(私がアホなだけかもだけど)。
それ以外にも、〝首実検〟〝使用前・使用後〟のくだりなんか一読ではわけがわからず
何度かページを行きつ戻りつしてようやく意味を理解する始末。
内容が面白いだけに(そして〝法廷物〟というスピード感がものを言うジャンルなだけに)
文章の読みにくさで読書速度が落ちてしまうのはちょっといただけなかった。
(ちなみに三話目は唯一内容がいまいちでしたが、代わりに別のサプライズが仕掛けられていて
著者の思惑どおりおっ! と叫ばされ、物語の締めにも「うまい!」と感心させられましたが)

割りとおすすめの一冊です。
ちなみに裁判員制度というものをもっと簡単に知りたい人は、
↓もおすすめ。
マンガですが、裁判員の登場頻度は本作よりこっちのほうが多い。彼らそれぞれの個性も強いし。
内容も非常に面白いです(主人公の女裁判官は嫌いですが)。



これらを読んで来たる日に備えて、少しでも正しい道に被告・原告を導く一端を
担ってくださいね、皆さん(断ったりしないで。。。勿体無いから。。。←勝手な主張)。

warau.jpg












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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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