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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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人間はみんな同じだよ。



優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気を描く「アウトサイド」、
ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い(「哀しみのウェイトトレーニー」)、
カーテンの膨らみから広がる妄想(「私は名前で呼んでる」)、
動物園の猿たちが起こす奇跡をユーモラスに綴る「マゴッチギャオの夜、いつも通り」、
読んだ女性すべてが大爆笑&大共感の「Q&A」、
大衆の面前で起こった悲劇の一幕「亡霊病」…などなど、
めくるめく奇想ワールドが怒涛のように展開する、著者初にして超傑作短篇集。

★収録作品★

 アウトサイド
 私は名前で呼んでる
 パプリカ次郎
 人間袋とじ
 哀しみのウェイトトレーニー
 マゴッチギャオの夜、いつも通り
 亡霊病
 タイフーン
 Q&A
 彼女たち
 How yo burden the girl
 ダウンズ&アップス
 いかにして私がピクニットシートを見るたび、くすりとしてしまうようになったか

***

本谷有希子さん待ってましたの新刊。

人の世の皮肉を動物だの病気だのシミュラクラ現象だのにたとえて
表現して見せる手腕はさすが。
文章も非常にうまく読みやすいので一気読み。
感動で背筋がゾクっとなったり笑ったり泣けたり呆れたりと
忙しない感情の変化を思う存分味わわせてもらいました。
それにしても〝亡霊病〟は怖かった。。。ある意味認知症と似てるんだけど
本当にこんな病気があったとしたら症状が悪化する前に自殺したい。。。が
身体が急速に動かなくなる病気なのでそれもままならない。。。というのが
恐ろしくて仕方なかった。

〝マゴッチギャオの夜、いつも通り〟は、
馬鹿にしてる相手が自分より秀でている場合もある、しかもそれを
まったく鼻にかけていないせいで凡人に見えたりするんだよ、ということを
改めて学ばされた気がして何だか身につまされる思いがした。

こんな突拍子もない、けれどすべてのひとの琴線に触れる話を書ける
本谷さんをやっぱり私は尊敬します。

ああ今から新作が待ち遠しい。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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