忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[1974]  [1972]  [1969]  [1971]  [1968]  [1967]  [1955]  [1965]  [1963]  [1961]  [1962
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

優しさで満たされている。



深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、
趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。
その縁で、越智美穂子という彼女もできて
ようやく自分の人生にも彩りが添えられる。
と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。
そこにはたった一行、『深瀬和久は人殺しだ』と書かれていた。
深瀬を問い詰める美穂子。深瀬は懊悩する。
ついに“あのこと”を話す時がきてしまったのか、と。

***

「絶唱」があまりにつまらなくて途中で読むのをやめたぐらいなので
本作も「どうなんだろう。。。」と警戒していたのですが。。。
面白かった。
まっとうなミステリだった。

死んでしまった友人のことを、周りのひとに訊いて回る、
そのひとが生前どんな人間だったのかを確かめていく、という流れは
漫画「彼女が死んじゃった。」に似ているものがあった。余談ですが。
読み進めるほどに、故人が魅力的な人間だったことが伝わってきた。
それだけに彼の死という事実が切なくなる。

コーヒーがキーワードとして散りばめられている話なので
コーヒー関係で何かトリックがあるだろうと思ってはいたのですが、
オチは読めなかった。
ラスト一行で「うわあ。。。」となった。
何このやるせない話。
このあとの主人公の気持ちを思うと、どうにもやりきれない。

良質のミステリでした。
おすすめ。
久々に湊かなえさんの作品で面白い、と納得がいったな。
まあ、ところどころに腑に落ちない点はあるのですが眼をつぶります。
PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]