上木らいちは様々な客と援交している高校生で、名探偵でもある。
殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、
隣人のストーカーによる盲点をつく手口――数々の難事件を
自由奔放に解決するらいち。
その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリはまた新たな扉を開く!
さらに過激で、さらに斬新な傑作誕生!!
「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
***
虹の七色から成る七章構成の連作短篇集。
この著者の、ミステリのなんたるかを熟知していながら
敢えてそれをおちょくった書き方をする遊んだ書き方が好きでしたが。。。
正直これはいただけなかった。
主人公・らいちがいくら事件を解決しても、
警察がちょっと調べればすぐにわかるような陳腐な事件ばかりなので、
らいちが名探偵に見えない。
一番長い「青の章」に至っては、読後脱力。悪い意味で読者騙してるだろこれ。
最後の「赤の章」に至っては、メタメタで読者おちょくりすぎ。
同じメフィスト作家の佐藤友哉氏のデビュー作「フリッカー式」のおちょくり方は
痛快だったけど、本作を読んで「この著者実は筆力ないんじゃ。。。」と
失望しかけた。
完全なるイロモノ小説。「橙の章」が入ることによって詰め込み感
ハンパなくなってたし。
続く「誰も僕を裁けない」はまあまあ面白かったので新作が出たら読みますが。
本作はあまりおすすめしません。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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