自由の中へ。
あのころ、わたしたちは包まれていた。まぶしくて、涙が出る――。
都会から少し離れた山間の町。
小学四年生の利一は、仲間たちとともに、わくわくするような謎や、
逃げ出したくなる恐怖、わすれがたい奇跡を体験する。
さらなる進境を示す、道尾秀介、充実の最新作!
***
やはりこの作家さんに子供を書かせたら右に出るひとはいないと思う。
主人公たち一人ひとりの個性が小説的な誇張もなくリアルに浮かび上がってきて
実在する人間に触れているようだった。
ミステリ要素があるのは最初の一話だけで
あとはごく普通の物語であったことが
ミステリ作家としての道尾氏を敬愛する私としては物足りなかったけど、
大人になる前の人間が持つ心の自由さと輝きを思い出させてくれる内容は
とてもよかった。
道尾氏は決して文章がうまいわけではないけれど、
表現力が卓越していて
今までに見たこともないようなその斬新な言葉選びに
いちいち感心しながら読めた。
「上手い」「巧い」ではなく「旨い」ひとなのだなと思う。味がある。癖になる。
テーマはありがちだったけれど、
道尾氏の作風がそれを彼自身の色で彩っていて
読んでいて退屈になることはなかった。
全体に透明で、(いい意味で)真面目な物語なのに、
要所要所で笑える表現が出てくることにも
氏の温かで愉快な人柄を感じることが出来て、
「ああこの作家さんの人間性素敵だな、友人になれたら嬉しいかも」
と思わせてくれた。
今度はがっつりしたミステリを書いてほしいものだけれど
(もしくはホラー。彼の作風はその2ジャンルにこそ活かされると思うので)
本作もおすすめです。
子供のころの気持ちを思い出したい方は、是非。
あのころ、わたしたちは包まれていた。まぶしくて、涙が出る――。
都会から少し離れた山間の町。
小学四年生の利一は、仲間たちとともに、わくわくするような謎や、
逃げ出したくなる恐怖、わすれがたい奇跡を体験する。
さらなる進境を示す、道尾秀介、充実の最新作!
***
やはりこの作家さんに子供を書かせたら右に出るひとはいないと思う。
主人公たち一人ひとりの個性が小説的な誇張もなくリアルに浮かび上がってきて
実在する人間に触れているようだった。
ミステリ要素があるのは最初の一話だけで
あとはごく普通の物語であったことが
ミステリ作家としての道尾氏を敬愛する私としては物足りなかったけど、
大人になる前の人間が持つ心の自由さと輝きを思い出させてくれる内容は
とてもよかった。
道尾氏は決して文章がうまいわけではないけれど、
表現力が卓越していて
今までに見たこともないようなその斬新な言葉選びに
いちいち感心しながら読めた。
「上手い」「巧い」ではなく「旨い」ひとなのだなと思う。味がある。癖になる。
テーマはありがちだったけれど、
道尾氏の作風がそれを彼自身の色で彩っていて
読んでいて退屈になることはなかった。
全体に透明で、(いい意味で)真面目な物語なのに、
要所要所で笑える表現が出てくることにも
氏の温かで愉快な人柄を感じることが出来て、
「ああこの作家さんの人間性素敵だな、友人になれたら嬉しいかも」
と思わせてくれた。
今度はがっつりしたミステリを書いてほしいものだけれど
(もしくはホラー。彼の作風はその2ジャンルにこそ活かされると思うので)
本作もおすすめです。
子供のころの気持ちを思い出したい方は、是非。
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自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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