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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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さあ、ゲームの始まりだ。

 

偽札造り――それは究極の騙しのゲーム。
「そのお札を使ったところで、誰が被害者になるわけでもないんだ。
おれの手を放れた紙幣は、また次の誰かの手へと伝わっていく。誰
も気づかず、どこにも被害者はいない。札を造り上げた者だけが勝利者となる。
……おれは決めたぞ、雅人。この先何年かかるか分からない。
けど、必ずこのゲームに勝利してやる!」
第10回山本周五郎賞、第50回日本推理作家協会賞長編部門受賞。

***

よくもまあここまで徹底して調べたなという圧巻の偽札造りに対する知識量。
あまりのリアルさに「これ本当にこの本のとおりにしたら
偽札作れるんじゃね?」と信じそうになってしまった。
この小説のとおりにやれば本当に出来るんじゃ、と思ったのは
貴志祐介氏の〝青の炎〟を読んで以来。
おそらくは想像で描かれているのだろう裏社会のあれこれについても、
この著者過去にそういう世界に身を置いていたことがあるんじゃないか、と
いい意味で(?)疑念を持ってしまうぐらいだった。

偽札造りの詳細なシーンが三回出てくるところは
全体の構成のパターンがマンネリしてしまっていてちょっと退屈に感じたりも
したけど、
常に臨場感を持ってテンション上げながら読むことが出来た。

ちなみに著者の真保先生には一度お会いしたことがあるのですが、
本作をして「僕は余計なものを詰め込み過ぎて書いてしまうところがあるので
本作も書いているうちにどんどん膨らんでしまった」
と仰っていて、
でもその自由な想像力こそがこの物語に魅力を与えているのだなあと
プロ作家の力量を改めて痛感する思いでした。

おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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