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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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スイッチは押された。



公開処刑人「森のくまさん」。犯行声明をネットに公表する連続殺人鬼だ。
捜査本部は血眼で犯人を追うが、それを嘲笑うかのように惨殺は繰り返され、
世間は騒然となる。
殺されたのはレイプ常習犯やいじめを助長する鬼畜教師など、
指弾されても仕方ない悪党ばかりで、ネットには犯人を支持する者まで出始めていた。
一方、いじめに苦しみ、自殺を図ろうとした女子高生の前に、謎の男が現れ…。

***

受賞にまでは至らなかったものの、
編集部員が気に入り「これは是非うちから出版したい!」という運びで
発刊に至った作品のことを、このミス大賞では「隠し玉」というのですが、
本作もそれ。
個人的主観でいえば、大賞受賞作より万人向けで面白いものが多い。
私の知人の七尾与史氏もこの「隠し玉」でデビューしているのですが、
音楽ミステリ作家を志す者として彼のデビュー年の大賞受賞作
「さよならドビュッシー」には及ばなかった印象はあるものの、
どっちが多くの読書ファンを獲得するかといえば
氏の「死亡フラグが立ちました!」のほうに軍配があがると思った。

本作もエンタメ要素が非常に強く、
けれど人間心理の機微を軽快な中にも絶妙に織り込んでいて、
楽しみながらもある種重厚な作品を読んだときと同じような快感を得ることが出来た。
オチは多少読めはするけれど、そんなの気にならないぐらい面白かった。
特に本作に登場するふたりの少女の友情、そのおぞましさたるやもう。
ラスト1ページでは思わずにやっと笑いが零れてしまいました。
著者にしてやられたといういい意味での悔しさ、そして今後の展開を予想した嬉しさで。

非常におすすめです。
先が気になって本を一気読みしたのなんか久しぶりだったな。
ドラマ化してほしいかも、これ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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