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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「私が私を殺そうとした。誰かを利用して。――誰でしょう?」



私は君に殺されることにしたよ
しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬(そご)をきたしはじめた
膵臓ガンで余命6ヶ月──
〈生きているうちにしか出来ないことは何か〉
死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則(ひなたさだのり)は
社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。
日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調った。あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。
だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた……。

***

相変わらずこの作者、着眼点はいいんですよね着眼点は。。。
だから毎回いかに期待を裏切られようとも新刊を手にとってしまうのですが、
今回もやはり裏切られた感が拭えない。。。

前作〝扉は閉ざされたまま〟が、突っ込みポイントは非常に多いものの
なんだかんだで結構面白かったので、その続編である本作はどんな感じだろうと
割かし期待して読んだのですが。。。
個性も面白みもない登場人物たち(前作の表紙と見比べてみればわかりますが、
絵を見ても誰が誰なのかさっぱりわからない。絵柄も微妙にダサめになってるし←というか
前作がかっこよすぎた)、
よそ様のホームビデオを延々見せられているような意味のない場面や会話の連続、
全体的にあまりに間延びしたストーリー展開に、あくびを噛み殺してしまうことしばしば。
唯一よかったところは、前作の主人公二人のその後を間接的ながらも窺い知ることができて
「ふーん、彼らは今はそうなのか」と思わずにやりとさせられることぐらい。
スリルあるリドルストーリーが読みたいのであれば、本作よりも
法月綸太郎氏の短編〝使用中〟(『大密室』『殺人買います』に収録)のほうがよっぽどおすすめ。

著者の石持氏は発想とタイトルセンスがせっかくピカ一なんだから
内容をもっと突き詰めてくれたら完璧なんだけどなあ、とおこがましくも思わずにはいられません。
もったいない。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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