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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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まだ見えない。



主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、
両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、
その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。
第39回 野間文芸新人賞受賞作。

***

200Pちょっとと短い話であることと、
純文学でも読みやすい文体と先が気になる物語展開に
一日で読み終えてしまった。

結局人間というものは不安と自らの人生への覚束なさを抱えているもので、
何かに縋らないと生きていけない。
ラストではそういう、人の「自分自身を頼りないと思う気持ち」が
表現されていて、共感と哀しみを思い起こさせられた。

主人公・ちひろは、きっとこれから大人になるにつれて
自分の両親が傾倒している宗教に疑問を感じ、彼らから離れていくのだろう。
そんな、我が子が自分から遠ざかってしまってしまうだろう予感に、
弱さを抱えた両親がどうしようもない寂しさを感じていることが伝わってきた。
ちひろは恐らくは彼女の両親ほどは弱くない。そのことを両親もわかっている。
とても普通な子であるちひろは、いずれ自分の肉親との決別を決意する。
決して両親のことを嫌っているわけではなくても。

価値観・感情のすれ違いは本当に切ないことだ。
それが身内なら尚更。
その身内が自分に愛情を持ってくれているなら尚更。

久しぶりに純文学でいいと思える作家さんに出会えた。
私はミステリ作家を志しているけれど、元々は純文読みだったので、
他の作品も読みたいと思わせてくれる純文作家さんに出会えたことが嬉しい。

ちなみに余談だけど、私も子供のころエドワード・ファーロングに
ハマったなあ。。。
親に頼んでCDまで買ってもらったりして(ちなみに彼、歌は下手でした)。
今でも口ずさめる。どうでもいいか。

とにかく、おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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