誰にも言わない。
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。
小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。
極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、
物語を紡ぎ続けた――。
「Story Seller」に発表された一編に、単行本のために書き下ろされた新たな一篇を加えて贈る
完全版!
***
SideAを雑誌〝Story Seller〟で読んだときには読後放心するぐらい感動できただけに、
SideBの中途半端さは残念(著者の作中での実験的な試みは面白いけど)。
前者は「まさかこれ。。。著者自身の実体験も少なからず入ってるんじゃ?」と思わされたけど、
後者にはまず「こんな夫いないよ==;」と突っ込み(あまりに人格者すぎる)、
ラノベ全開な文章ともあいまってフィクションくささが鼻についてならなかった。
大好きな映画のしょぼい続編を目の当たりにしたような「最初はよかったのに。。。」感が
拭えないというか。
SideBの存在によって名作だったはずの(そして限りなくノンフィクションに近かった)SideAが
「しょせんこれもフィクションじゃん」的な感じになってしまっていてそれが何よりも残念。
(〝ターミネーター〟の続編が出るたびに
「え? じゃあ前作までの戦いは何だったの?」とがっくりくる感じを思い浮かべてもらえれば
わかりやすいと思う)
著者には悪いけど私の中ではSideBはなかったことにする。
SideAはかなりおすすめです。
なので本作〝ストーリー・セラー〟ではなく〝Story Seller〟の文庫を買うことを
個人的にはお勧めします。
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。
小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。
極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、
物語を紡ぎ続けた――。
「Story Seller」に発表された一編に、単行本のために書き下ろされた新たな一篇を加えて贈る
完全版!
***
SideAを雑誌〝Story Seller〟で読んだときには読後放心するぐらい感動できただけに、
SideBの中途半端さは残念(著者の作中での実験的な試みは面白いけど)。
前者は「まさかこれ。。。著者自身の実体験も少なからず入ってるんじゃ?」と思わされたけど、
後者にはまず「こんな夫いないよ==;」と突っ込み(あまりに人格者すぎる)、
ラノベ全開な文章ともあいまってフィクションくささが鼻についてならなかった。
大好きな映画のしょぼい続編を目の当たりにしたような「最初はよかったのに。。。」感が
拭えないというか。
SideBの存在によって名作だったはずの(そして限りなくノンフィクションに近かった)SideAが
「しょせんこれもフィクションじゃん」的な感じになってしまっていてそれが何よりも残念。
(〝ターミネーター〟の続編が出るたびに
「え? じゃあ前作までの戦いは何だったの?」とがっくりくる感じを思い浮かべてもらえれば
わかりやすいと思う)
著者には悪いけど私の中ではSideBはなかったことにする。
SideAはかなりおすすめです。
なので本作〝ストーリー・セラー〟ではなく〝Story Seller〟の文庫を買うことを
個人的にはお勧めします。
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どうにもならないままただ過ぎて行った時間のことを。
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。
依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、
結末の伏せられた五つの小説を探していた。
調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。
二十二年前のその夜何があったのか? 幾重にも隠された真相は?
米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。
***
読み終えた瞬間に背筋が(いい意味で)ぞっとした小説は久しぶり。
本作に作中作として登場する五編のリドルストーリーには面白みに欠けるものもあり、
それらを使ったトリックも少々ややこしくはありますが(そのせいでかったるくなったりもしますが)、
挫折なく読み進めていったおかげであのラストにたどり着けたのだからそれでいいかな。
それにしても、
〝アントワープの銃声〟という作中のあの雑誌記事をもうちょっと初めに持ってきてくれていたら
読者も謎解きに参加できたのにな。だいぶあとにならないと出てこなくて残念。
あと主人公がちょっと魅力に欠ける人物だったのも×。
映画〝インシテミル〟が公開されてこの著者も知名度上がるかな。
でも米澤氏の真髄はいかにも娯楽小説っぽいあれよりも本作のような物語にあると思うので、
映画を見て(もしくは原作を読んで)気に入った人は
本作を含めたほかの作品も是非チェックしてみてください。
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。
依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、
結末の伏せられた五つの小説を探していた。
調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。
二十二年前のその夜何があったのか? 幾重にも隠された真相は?
米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。
***
読み終えた瞬間に背筋が(いい意味で)ぞっとした小説は久しぶり。
本作に作中作として登場する五編のリドルストーリーには面白みに欠けるものもあり、
それらを使ったトリックも少々ややこしくはありますが(そのせいでかったるくなったりもしますが)、
挫折なく読み進めていったおかげであのラストにたどり着けたのだからそれでいいかな。
それにしても、
〝アントワープの銃声〟という作中のあの雑誌記事をもうちょっと初めに持ってきてくれていたら
読者も謎解きに参加できたのにな。だいぶあとにならないと出てこなくて残念。
あと主人公がちょっと魅力に欠ける人物だったのも×。
映画〝インシテミル〟が公開されてこの著者も知名度上がるかな。
でも米澤氏の真髄はいかにも娯楽小説っぽいあれよりも本作のような物語にあると思うので、
映画を見て(もしくは原作を読んで)気に入った人は
本作を含めたほかの作品も是非チェックしてみてください。
日々確実に、発狂してきた。
迫ってくる体温を感じながら感じた、世界が変わっていくのを――。
堕ちてゆく痛み、翳りない愛への恐れ。自身に注がれる冷徹なまなざし。
クールさと瑞々しさをともに湛えた恋愛長篇。
***
再読。
男の登場人物の書き込みが若干足りないことを除けば秀逸の作品だと思う。
とかく文章が心地いい。
リズムがあって、オブラートのかからない剥き出しの痛々しさが伝わってくるようで。
現に著者の金原さんが本作を執筆時、主人公と同じ拒食症に陥り、
病院に通ったというエピソードは有名。
一人の人を好きで好きで好きで仕方なくなりながらも
ほかの異性を保険として手元に(女としての本能で無意識に)留めておく、
どちらが本気なのかと言われればどちらとも、と答えるしかない、
そのあたりの機微がじっくり書き込まれていて深い共感を覚える。
そして同属意識からくる嫌悪感も。
ラスト一行が大好きです。
何だかミステリにおけるリドルストーリーの恋愛バージョン、みたいな感じで。
おすすめ。
迫ってくる体温を感じながら感じた、世界が変わっていくのを――。
堕ちてゆく痛み、翳りない愛への恐れ。自身に注がれる冷徹なまなざし。
クールさと瑞々しさをともに湛えた恋愛長篇。
***
再読。
男の登場人物の書き込みが若干足りないことを除けば秀逸の作品だと思う。
とかく文章が心地いい。
リズムがあって、オブラートのかからない剥き出しの痛々しさが伝わってくるようで。
現に著者の金原さんが本作を執筆時、主人公と同じ拒食症に陥り、
病院に通ったというエピソードは有名。
一人の人を好きで好きで好きで仕方なくなりながらも
ほかの異性を保険として手元に(女としての本能で無意識に)留めておく、
どちらが本気なのかと言われればどちらとも、と答えるしかない、
そのあたりの機微がじっくり書き込まれていて深い共感を覚える。
そして同属意識からくる嫌悪感も。
ラスト一行が大好きです。
何だかミステリにおけるリドルストーリーの恋愛バージョン、みたいな感じで。
おすすめ。
楽園とは居心地のいい牢獄。
周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、
それらを処理する探偵体質の弟・真樹。
彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、館主密室殺人に遭遇。
犯人は館に集った癖のあるミステリ作家たちの中にいるのか、それとも双子の…?
最強にして最凶の美少年双子ミステリ。
第37回メフィスト賞受賞作。
***
うーん。。。あんまり。。。
軽くメタ入っててミステリ書いてる身としてはちょっと面白かったけど、
事件もトリックも大したことないし(特にトリックは、思いついたことがよっぽど自慢なのか?
ってぐらい何度も何度もくどいぐらい文中に出てくるし)、
文章が読みづらくて状況を把握しにくいので真相が語られても
「はあ。。。そうだったんですか。。。」って感じだし。
双子のキャラはなかなかいいけど、語り部役の刑事があまりに影薄くて
「あれ? この話って誰の視点で語られてんだっけ?」ってときどき忘れそうになるし。。。
偉そうに言わせてもらえばメフィスト賞を受賞するに値するほどのものでもなかったような。
(まあ、ときどきとんでもないのが受賞したりもする賞ですが、
本作はいいほうにも悪いほうにも突き抜けてなくて中途半端に感じた)
著者のアクアリウム&浦沢直樹氏への愛だけは十分に伝わってきました。
あまりおすすめではないかな。。。
周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、
それらを処理する探偵体質の弟・真樹。
彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、館主密室殺人に遭遇。
犯人は館に集った癖のあるミステリ作家たちの中にいるのか、それとも双子の…?
最強にして最凶の美少年双子ミステリ。
第37回メフィスト賞受賞作。
***
うーん。。。あんまり。。。
軽くメタ入っててミステリ書いてる身としてはちょっと面白かったけど、
事件もトリックも大したことないし(特にトリックは、思いついたことがよっぽど自慢なのか?
ってぐらい何度も何度もくどいぐらい文中に出てくるし)、
文章が読みづらくて状況を把握しにくいので真相が語られても
「はあ。。。そうだったんですか。。。」って感じだし。
双子のキャラはなかなかいいけど、語り部役の刑事があまりに影薄くて
「あれ? この話って誰の視点で語られてんだっけ?」ってときどき忘れそうになるし。。。
偉そうに言わせてもらえばメフィスト賞を受賞するに値するほどのものでもなかったような。
(まあ、ときどきとんでもないのが受賞したりもする賞ですが、
本作はいいほうにも悪いほうにも突き抜けてなくて中途半端に感じた)
著者のアクアリウム&浦沢直樹氏への愛だけは十分に伝わってきました。
あまりおすすめではないかな。。。
本当に殺したい。
死んだ女のことを教えてくれないか――。
無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。
問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。
人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、
それは――。
***
くどい! 文章がくどい!(特に最終章の冒頭)
そして雑! 推敲してるのこれ?
ていうか初期の京極氏はどこに行ったの? あの巧みなプロットと簡潔&精緻な文章は?
。。。などとちょっと腹立ったりもしましたが基本的には面白いです。
六つからなる章の全部が全部似たようなストーリー運び&台詞のオンパレードなので
読み進めるごとにだれてはきますが、ラストのまとめ方はなかなかに秀逸。
皆自分のことばかり。
他人のことなんか知ったこっちゃない。
人と喋ってて何か相談してもいつの間にか話題が相手のことに移ってる、
そんな経験誰しもあるでしょうが、本作はそういった〝虚しさ〟みたいなものを浮き彫りにしてる。
苦笑いしつつ共感してしまった。
一見無能な一人の男が様々な肩書きや矜持を持つ人間を
弁舌巧みに(しかし本人にその自覚はない)追い詰めていく様はなかなかに痛快(もし自分が
追い詰められる立場だったらとちょっとぞっとしないですが)。
人間心理もよく書き込まれているし(ちょっと追い詰められる側が弱すぎる気がしないでも
ないけど、それはたぶん追い詰める側の青年・ケンヤの卓越した話術故と捉えておこう)。
まあおすすめかな。
それにしても改めてすごいタイトルだな本作。。。
オマケ:
本作がツボだった人はこちらがおすすめです。
死んだ女のことを教えてくれないか――。
無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。
問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。
人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、
それは――。
***
くどい! 文章がくどい!(特に最終章の冒頭)
そして雑! 推敲してるのこれ?
ていうか初期の京極氏はどこに行ったの? あの巧みなプロットと簡潔&精緻な文章は?
。。。などとちょっと腹立ったりもしましたが基本的には面白いです。
六つからなる章の全部が全部似たようなストーリー運び&台詞のオンパレードなので
読み進めるごとにだれてはきますが、ラストのまとめ方はなかなかに秀逸。
皆自分のことばかり。
他人のことなんか知ったこっちゃない。
人と喋ってて何か相談してもいつの間にか話題が相手のことに移ってる、
そんな経験誰しもあるでしょうが、本作はそういった〝虚しさ〟みたいなものを浮き彫りにしてる。
苦笑いしつつ共感してしまった。
一見無能な一人の男が様々な肩書きや矜持を持つ人間を
弁舌巧みに(しかし本人にその自覚はない)追い詰めていく様はなかなかに痛快(もし自分が
追い詰められる立場だったらとちょっとぞっとしないですが)。
人間心理もよく書き込まれているし(ちょっと追い詰められる側が弱すぎる気がしないでも
ないけど、それはたぶん追い詰める側の青年・ケンヤの卓越した話術故と捉えておこう)。
まあおすすめかな。
それにしても改めてすごいタイトルだな本作。。。
オマケ:
本作がツボだった人はこちらがおすすめです。
Are you still with me?
学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。
ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
***
〝MONSTER(/浦沢直樹)〟
+〝デスノート(/大場つぐみ・小畑健)〟
+〝バトルロワイアル(/高見広春)〟
といった感じの内容。でも面白くなかった。
夜通し一気で読みきってしまうほどの、読んでしばらく経つとまた手にとってしまうほどの、
かつての貴志節はどこにいってしまったんだろうと悲しい気持ちになった。
〝MONSTER〟〝デスノート〟ほど悪役にカリスマ性はないし(ていうか
時々使う英語がもうサムくて仕方ない)、
後半で〝(一人)バトルロワイアル〟的展開になるくせに
バトロワに比べてまったく手に汗握らない(要するに生徒たちに魅力がない)。
前作で「あれ?」と思ったせいで本作は買わずに図書館で済ませたけど
本当に買わなくてよかったと思う。
主人公も殺人手段が穴だらけで全然賢く見えないし(ていうかむしろアホに見える)、
オチも予想の範囲内だった。
何より後半で絶対活躍すると思ってた猫山教諭がそのままフェードアウトしたのにはあ然。
せめて殺人鬼視点ではなく被害者視点で書いたらずっといいものに仕上がったのでは。
ラストで蓮実を追いつめる決定打だけは意外性があってよかったけど。
でもこれ読むなら上記三作を読んだほうがよっぽどいいです、正直。
次こそは三度目の正直で面白いものを書いてほしい。。。
そんな顔するなよ。な?
吹奏楽の“甲子園”普門館を目指すハルタとチカ。ついに吹奏楽コンクール地区大会が始まった。
だが、二人の前に難題がふりかかる。
会場で出会った稀少犬の持ち主をめぐる暗号、
ハルタの新居候補のアパートにまつわる幽霊の謎、
県大会で遭遇したライバル女子校の秘密、
そして不思議なオルガンリサイタル…。
容姿端麗、頭脳明晰のハルタと、天然少女チカが織りなす迷推理、そしてコンクールの行方は?
『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』に続く“ハルチカ”シリーズ第3弾。青春×本格ミステリの決定版。
★収録作品★
ジャバウォックの鑑札
ヴァナキュラー・モダニズム
十の秘密
空想オルガン
***
第一話〝ジャバウォックの鑑札〟には「へえ~!」と思わされたけど
話が進むごとにだんだんつまらなく。。。(特に最終話にして表題作〝空想オルガン〟が
長い上につまらない。。。シリーズを通して読んできたひとにはちょっと嬉しいシーンなんかも
一応はあったりするんだけど)
それでも一定のレベルは保っているので決して駄作ではありませんが。
でもキャラが非常に魅力的で個性に溢れているのにストーリーが追い付いていない。。。というか
吹奏楽ミステリなんだからもうちょっと音楽に関するトリックやってよ、というのが個人的希望です。
キャラ同士の掛け合いは相変わらず健在で非常に面白いですが。
(orz とドラクエネタと「……な、なにこのイケメン?」には吹いた)
まあおすすめかな。
シリーズ第一作の〝退出ゲーム(表題作)〟は爆笑できるしミステリとしてもかなりのものです。
吹奏楽の“甲子園”普門館を目指すハルタとチカ。ついに吹奏楽コンクール地区大会が始まった。
だが、二人の前に難題がふりかかる。
会場で出会った稀少犬の持ち主をめぐる暗号、
ハルタの新居候補のアパートにまつわる幽霊の謎、
県大会で遭遇したライバル女子校の秘密、
そして不思議なオルガンリサイタル…。
容姿端麗、頭脳明晰のハルタと、天然少女チカが織りなす迷推理、そしてコンクールの行方は?
『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』に続く“ハルチカ”シリーズ第3弾。青春×本格ミステリの決定版。
★収録作品★
ジャバウォックの鑑札
ヴァナキュラー・モダニズム
十の秘密
空想オルガン
***
第一話〝ジャバウォックの鑑札〟には「へえ~!」と思わされたけど
話が進むごとにだんだんつまらなく。。。(特に最終話にして表題作〝空想オルガン〟が
長い上につまらない。。。シリーズを通して読んできたひとにはちょっと嬉しいシーンなんかも
一応はあったりするんだけど)
それでも一定のレベルは保っているので決して駄作ではありませんが。
でもキャラが非常に魅力的で個性に溢れているのにストーリーが追い付いていない。。。というか
吹奏楽ミステリなんだからもうちょっと音楽に関するトリックやってよ、というのが個人的希望です。
キャラ同士の掛け合いは相変わらず健在で非常に面白いですが。
(orz とドラクエネタと「……な、なにこのイケメン?」には吹いた)
まあおすすめかな。
シリーズ第一作の〝退出ゲーム(表題作)〟は爆笑できるしミステリとしてもかなりのものです。
さあ、戦争を始めよう。
「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。
北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、
「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?
さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ。
***
自分の目標や存在価値が見出せず平凡な生活に飽いている若者が読んだら
彼(もしくは彼女)にどんな影響を及ぼすのか。。。なんてことが気になった本作。
彼(もしくは彼女)が若ければ若いほど、反発するのかもしれないなあ。。。
「こんな終わりは認めない!」
とか言って。
でも真実この世で一番幸せなことは本書のラストに書かれていることなんだろうなとは
心の深いところで悟れるのかもしれない。
本作は精神(思考)がそこにたどり着くまでの所謂準備書のようなものなのかもしれない。
おそらくは著者の佐藤氏の実体験も盛り込まれているだろう本作、
なかなかに興味深い作品だった。
でももし私がもっと若いころに読んだとしたらやはり「こんなの認めない」と
反発するんだろうけど。。。
十代には反発を、
二十代には希望(あるいは救いを秘めた絶望)を、
そして三十代以降の人間には懐かしさ(青臭い自分を振り返る感覚)を抱かせるような作品です。
おすすめ。
「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。
北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、
「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?
さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ。
***
自分の目標や存在価値が見出せず平凡な生活に飽いている若者が読んだら
彼(もしくは彼女)にどんな影響を及ぼすのか。。。なんてことが気になった本作。
彼(もしくは彼女)が若ければ若いほど、反発するのかもしれないなあ。。。
「こんな終わりは認めない!」
とか言って。
でも真実この世で一番幸せなことは本書のラストに書かれていることなんだろうなとは
心の深いところで悟れるのかもしれない。
本作は精神(思考)がそこにたどり着くまでの所謂準備書のようなものなのかもしれない。
おそらくは著者の佐藤氏の実体験も盛り込まれているだろう本作、
なかなかに興味深い作品だった。
でももし私がもっと若いころに読んだとしたらやはり「こんなの認めない」と
反発するんだろうけど。。。
十代には反発を、
二十代には希望(あるいは救いを秘めた絶望)を、
そして三十代以降の人間には懐かしさ(青臭い自分を振り返る感覚)を抱かせるような作品です。
おすすめ。
その間違いが、でも愛らしいぞ?
ある日ある朝、西暁町で、十四歳くらいの僕が馬から生まれる。
記憶も名前もない。でも名前なんかいらない、と僕は思う。
自分が誰だってどうでもいい…のに、正彦が僕を弟にする。
それからヒトとしての生活にようやく馴れてきたところに蛇に乗る少女楡が現れ、
僕を殺人現場に誘う。冒険が始まる。
失踪した父親。地下密室。獣の大革命。そして恋。
混乱と騒動の中、僕は暗い森を駆ける駆ける駆け抜けていく。
舞城王太郎が講談社ノベルスに舞い戻り投下する、新しい小説。
***
荒唐無稽・ハチャメチャシュールは舞城氏のお家芸みたいなものなのですが、
今回ばかりはついていくのに苦労した。
本作よりずっと登場人物も多くて長くて込み入った内容の〝ディスコ探偵水曜日〟は
面白く読めたんだけどなあ。。。
あ、ちなみに本作は〝SPEEDBOY!〟〝山ん中の獅見朋成雄〟の流れを汲む
物語なので、先に上記二作を読んでおくことをおすすめします。
(ていうかナルオシリーズいつまでやるんだろう舞城氏。。。よっぽど気に入ってるのか?)
いっそ絵本か童話にすればほどよく違和感のない内容になるんだろうか?
(絵本とか童話ってヘタな小説よりすっとんきょうな設定がごく普通に出てきたりするので)
上記のあらすじを読んで引いたひとor「これほんとに面白いのか?」と思ったひとには
おすすめしません。マジでこのあらすじのまんまだから。
ある日ある朝、西暁町で、十四歳くらいの僕が馬から生まれる。
記憶も名前もない。でも名前なんかいらない、と僕は思う。
自分が誰だってどうでもいい…のに、正彦が僕を弟にする。
それからヒトとしての生活にようやく馴れてきたところに蛇に乗る少女楡が現れ、
僕を殺人現場に誘う。冒険が始まる。
失踪した父親。地下密室。獣の大革命。そして恋。
混乱と騒動の中、僕は暗い森を駆ける駆ける駆け抜けていく。
舞城王太郎が講談社ノベルスに舞い戻り投下する、新しい小説。
***
荒唐無稽・ハチャメチャシュールは舞城氏のお家芸みたいなものなのですが、
今回ばかりはついていくのに苦労した。
本作よりずっと登場人物も多くて長くて込み入った内容の〝ディスコ探偵水曜日〟は
面白く読めたんだけどなあ。。。
あ、ちなみに本作は〝SPEEDBOY!〟〝山ん中の獅見朋成雄〟の流れを汲む
物語なので、先に上記二作を読んでおくことをおすすめします。
(ていうかナルオシリーズいつまでやるんだろう舞城氏。。。よっぽど気に入ってるのか?)
いっそ絵本か童話にすればほどよく違和感のない内容になるんだろうか?
(絵本とか童話ってヘタな小説よりすっとんきょうな設定がごく普通に出てきたりするので)
上記のあらすじを読んで引いたひとor「これほんとに面白いのか?」と思ったひとには
おすすめしません。マジでこのあらすじのまんまだから。
いいものを見せてあげようか。
殺意の矛先は犬や猫、そして人間へ――。
小さな地方都市を震撼させる事件の容疑者は、県警本部長も務めた元警察官僚・最上倉太朗!
“共感覚”美少女探偵・音宮美夜は妙な出会い方をした高校生・城之内愛澄とともに
捜査を開始する。だが最上は「私は音宮くんを殺したい」と宣戦布告!
狙われた探偵は、裏を知り尽くした男を追い詰められるか。
***
〝キョウカンカク〟シリーズ第二弾。
気付いたこと↓
●前回より文章が下手になっている(デビュー作はさんざん吟味してから応募するため
レベルが高いがいきなり書かされる次回作はちょっと。。。ということは本作に限らず多いけど)。
●ラスボスが迫力に欠ける(たいそうな肩書きの割に)。
●視点の混乱。語り部ころころ変わりすぎ。
でも
●真相がしょぼい。
。。。と思いきや、最初はともかくそれから次々と明かされる新事実に
「えっ?」「ああっ!?」「そうだったのか!!!」と気付いたらのめり込んでいる自分がいた。
メフィスト賞出身作家の真骨頂をここに見た気がした。
要するに楽しかった。
(まあミステリとして捉えると納得いかない部分も多いけど。。。)
これから読むよという人は、深く考えず純粋に楽しみましょう。
まあちょっと切ないところもあるけど。
それにしても探偵・音宮美夜、どんどん魅力が増してくなー。
今後が非常に楽しみです。
あ、でも
●西尾維新氏に文体がちょっと似てる。
はやめてほしいかも。たぶん偶然じゃないと思うので。
殺意の矛先は犬や猫、そして人間へ――。
小さな地方都市を震撼させる事件の容疑者は、県警本部長も務めた元警察官僚・最上倉太朗!
“共感覚”美少女探偵・音宮美夜は妙な出会い方をした高校生・城之内愛澄とともに
捜査を開始する。だが最上は「私は音宮くんを殺したい」と宣戦布告!
狙われた探偵は、裏を知り尽くした男を追い詰められるか。
***
〝キョウカンカク〟シリーズ第二弾。
気付いたこと↓
●前回より文章が下手になっている(デビュー作はさんざん吟味してから応募するため
レベルが高いがいきなり書かされる次回作はちょっと。。。ということは本作に限らず多いけど)。
●ラスボスが迫力に欠ける(たいそうな肩書きの割に)。
●視点の混乱。語り部ころころ変わりすぎ。
でも
●真相がしょぼい。
。。。と思いきや、最初はともかくそれから次々と明かされる新事実に
「えっ?」「ああっ!?」「そうだったのか!!!」と気付いたらのめり込んでいる自分がいた。
メフィスト賞出身作家の真骨頂をここに見た気がした。
要するに楽しかった。
(まあミステリとして捉えると納得いかない部分も多いけど。。。)
これから読むよという人は、深く考えず純粋に楽しみましょう。
まあちょっと切ないところもあるけど。
それにしても探偵・音宮美夜、どんどん魅力が増してくなー。
今後が非常に楽しみです。
あ、でも
●西尾維新氏に文体がちょっと似てる。
はやめてほしいかも。たぶん偶然じゃないと思うので。
プロフィール
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kovo
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女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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